BMW M550i xDrive(4WD/8AT)/523d xDriveツーリング ラグジュアリー エディションジョイ+(4WD/8AT)
今だからできること 2020.11.30 試乗記 「BMW 5シリーズ」のマイナーチェンジモデルが日本に上陸。4.4リッターV8ツインターボの「セダン」と2リッター直4ディーゼルターボの「ツーリング」をワインディングロードに連れ出し、走行性能と最新のデジタル装備の仕上がりを試した。FRならではの機能美
BMWの中核をなす5シリーズ。現行のG30型(BMWの型式といえばE〇〇がおなじみだが、EもFも使い果たしGに突入!)は2017年1月に日本導入され、2年半と少したった2019年9月、マイナーチェンジ版に切り替わった。前後ライトまわりがやや抑揚をおさえたフラットデザインとなった程度と見た目の変化は最小限で、中身のブラッシュアップが中心。11月半ばに箱根のターンパイクで、「M550i xDrive」(セダン)と「523d xDriveツーリング」を試した。
M550iを横から眺める。典型的なロングノーズ、ショートデッキスタイルだ。官能的ではないが、クリーンなシルエットだ。前輪とフロントドアとの距離が長いのがFR(ベース)車の特徴で、プレミアムディスタンスとも呼ばれる。プレミアムに憧れ、FF車であるにもかかわらずこの部分を長くとるデザインのクルマもあるが、機能面での必然性がないのでどこか説得力がない。BMWが過去に素晴らしい走りのモデルを多数輩出してきたからこそ、この長さに意味が生じるのだろう。
Mのつかないノーマルの5シリーズのガソリンエンジンは2リッター直4ターボ、もしくは3リッター直6ターボのどちらかだが、M550iは4.4リッターV8ツインターボエンジンを搭載する。昨今はどのメーカーも8気筒エンジン搭載モデルを減らしている。8気筒はパワーを稼ぎやすいが、燃費の面で不利だからだ。進化した過給器や電気モーターを組み合わせることで、6気筒でも十分なパワーが得られるようになったからでもある。