メルセデス・ベンツE300クーペ スポーツ(FR/9AT)
才たけて 見目麗しく 2020.12.01 試乗記 「セダン/ステーションワゴン」に続き、マイナーチェンジした「メルセデス・ベンツEクラス クーペ」が上陸。スタイリッシュなフォルムを追求した伝統の2ドアモデルは、いかなる進化を遂げたのか。最高出力258PSの「E300スポーツ」を通して確かめた。ルックスに価値がある
イケてるクルマはSUV……と、世界中で吹き荒れるそんな時代の風を受け、さらに欧州での本格施行が迫った罰金付きのCO2排出量規制や、やはりこれまでにない厳しさで網がかけられることが決まっている騒音規制を目前に、“存亡をかけた取り組み”がいや応なしに避けられなくなっているのがスポーツカーである。
いっぽうでこうした時代であるからこそ、そんなスポーツカーの多くが採用するスポーティーな2ドアボディーのルックスに価値があると評価されるのもまた確か。“カッコいいクーペが大好物”という人種にとって、飢餓状態に置かれた時に魅力的なクーペが現れたなら、一も二もなく飛びつきたくなる気持ちは想像に難くないものだ。
というわけで、自ら「メルセデス・ベンツの中核を成すモデル」と紹介する、Eクラスのセダン/ステーションワゴンをベースに開発されたクーペと、さらにそれをベースとした電動ソフトトップ採用のオープンモデルであるカブリオレが共にマイナーチェンジした。
今回取り上げるE300クーペ スポーツは、「メルセデスAMG E53 4MATICクーペ」という長い正式名称が与えられたAMGバージョンを頂点とした合計4モデルで構成されるEクラス クーペの中にあっては、下から2番目の車種となる。もちろん他のEクラスと同様に、アップデートされたメルセデス自慢の最新運転支援システムを標準装備している。
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