ボルボV60 B5 R-DESIGN(FF/8AT)
未来はけっこう明るい 2021.01.06 試乗記 ボルボのステーションワゴン「V60」の最新モデルに試乗。連れ出したのは新たに設定された48Vハイブリッドパワートレインと、スポーティーなセッティングのサスペンションを備えた「B5 R-DESIGN」。果たしてその仕上がりは?これも立派な電動車
ボルボはかねて「ディーゼル車の新規開発停止、全車電動化」を掲げてきたが、その日本法人であるボルボ・カー・ジャパンが2020年8月25日に「国内モデルを年内に全車電動化する」と発表したことをご記憶の向きもあろう。
実際、これ以降に日本上陸をはじめたボルボの2021年イヤーモデルには、純エンジン車が用意されなくなった。そして、2020年11月26日に導入された最新の「S60」と「V60クロスカントリー」をもって、ボルボは2021年モデルの発表を完了。8月25日の公約どおり、すべての新車ボルボの日本仕様から純エンジン車が姿を消した。と同時に、2020年モデルでは数機種残っていたディーゼルエンジン搭載車もひっそりと消えてしまった。
そのボルボ2021年モデルでは電動化の準本命(?)であるプラグインハイブリッドがいよいよ本格展開されるようになったことも話題だが、現状で主力となるのはあくまで「48Vハイブリッド」である。48Vハイブリッドとは、48V駆動のスターター兼発電機を使ったマイルドハイブリッド車のことだ。このタイプではモーターのみでの電気走行はできず、その乗り味はよくも悪くも「アイドルストップからの再始動が滑らかなガソリン車」の域を出るものではない。
昨今、テレビや新聞などの大手一般メディアでは、やれ「2035年にガソリン車が廃止される」だの「東京都はさらに前倒しで2030年に全車電動化」だのと大騒ぎだが、ここでいう“ガソリン車廃止”や“電動化”は、基本的には今回のボルボの態度と同意である。つまり、2030年や2035年にいきなりピュアな電気自動車以外が禁止になるわけでなく、おそらくは今回のようなマイルドハイブリッドも立派な電動車の一種とされるだろう。もちろん、今後の政治的な駆け引き次第で状況が変わる可能性もなくはないが、ひとまずは「みなさん、あわてなさんな」と申し上げたい。