レクサスLS500h“Fスポーツ”(FR/CVT)
カッコだけでいいのに 2021.01.28 試乗記 度重なる改良を受け、常に進化を続けるレクサスのフラッグシップサルーン「LS」。最新のスポーティーグレードに試乗した筆者は、その技術力に驚く一方、乗り味には疑問を抱いたのだった。駐車の作法も最上級
「もしや試乗車が余っているのでは」と淡い期待を抱いて早めに会場に着いたのだが、むなしかった。用意されたクルマは出払っていた。
「だいぶ時間がありますから、こちらへ」とスタッフの人に案内された先は駐車場。さほど広くないスペースに数台のクルマが止められている。通路には2台のレクサスLS。うながされるままにフラッグシップの運転席に座ると、「では、画面をご覧ください」と助手席から説明の声。早速「アドバンストパーク」こと駐車支援システムの実演が始まった。
レクサスの大柄なセダンをバックで枠内に入れるのも、手間ひまかかる難しい縦列駐車も、ATシフター後ろに設けられたアドバンストパークのボタンを押して、センターコンソールの液晶ディスプレイで止めたい場所を指定するだけ。あとはクルマが勝手に“自分を”駐車してくれる。運転者はステアリングやペダル操作をすることなく、ただ座ってLSの動作を見守るだけでいい。
この手の支援システムはいまや珍しいものではないけれど、それでも目の前でステアリングホイールが勝手に回る、それもかなりの速度で右へ左へとクルクル回転するさまにはいつも驚かされる。前後の余裕がない場所で何度か前後しながら縦列駐車する様子を観察しながら、「やはり切り返しは面倒くさがらずにロックするまでハンドルを回さないとイカンのだな」と、ピントはずれな感想を抱いた次第。クルマのふりみて、わがふり直せ!? 自分でやるより明らかに上手でした。
レクサスLSは、全長5.2m、全幅1.9mと、大きなクルマだ。サイズが拡大する一方の高級車の扱いに課題を感じているのは日本車メーカーに限らないらしく、例えばBMWの場合、自動駐車はもちろん、自車の軌跡をたどって自動でステアリング操作しながらバックする、ユニークなリバースアシスト機能を採用した。運転者は走行中の作業が減るので、周囲に目を配りやすくなるわけだ。
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