プジョーe-2008アリュール(FWD)
クルマばかりが進化する 2021.02.03 試乗記 「クルマは道がつくる」という言葉があるが、日本の場合はどうだろうか。フランス発の100%電気自動車(EV)「プジョーe-2008」で200kmばかり走ってみたところ、インフラ側のさまざまな課題が見えてきた。見分けるのは難しい
エンジン搭載モデルとの“対等な関係”を主張し、同じ骨格を用いたボディーに同様のデザイン、そして、エンジン車と変わらないユーティリティー性能と同等の走りのパフォーマンスを掲げるピュアEVがプジョーのe-2008だ。
前後シート下とセンタートンネル部にトータル容量50kWh分のリチウムイオン電池を分散配置し、フロントアクスル上に置かれた最高出力136PS(100kW)のモーターで前輪を駆動するという電動化ソリューションは、同じグループPSAのピュアEV「プジョーe-208」や「DS 3クロスバックE-TENSE」を通じて、すでに日本でも展開されている。
ちなみにグループPSAは「eCMP」と名づけられたこの100%電動プラットフォームをベースに、「2021年までに7つのモデルを開発予定」と発表済み。そこには、新生企業グループ「ステランティス」の一員となる、オペル/ボクスホールの作品も含まれる。7車種のいずれもが「維持費を含めたトータルコスト面においても、エンジン車と変わらない実用性をアピールする」というコンセプトを展開していくことになる。
こうして、あらゆる点でエンジン車と電動車が対等な関係というコンセプトの持ち主だけに、まずはガソリンエンジン搭載バージョンとピュアEVバージョンを外見から判別するという作業からして簡単にはいかない。
左リアフェンダーに設けられたリッドは、「給油」「充電」と目的は違っても全くの同形状。EVバージョンにはカラードグリルと、見る角度によって微妙に色彩を変えるライオンエンブレムが与えられるとはいっても、それはあらかじめ知っていてこその識別ポイント。フロントフェンダー後方とテールゲート上には専用の「e」エンブレムがレイアウトされるが、こちらも同様だ。
ことほどさようにさりげない見た目が特徴のピュアEVがe-2008である。現実には「リアビューのテールパイプの有無」を確かめるのが、“eかどうか”を知る手っ取り早い方法かもしれない。