アウディRS 6アバント
闘いの遺伝子 2021.02.15 アウディテクノロジーの極み RSモデルを知る<AD> 最高出力600PS、最大トルク800N・mのV8ツインターボエンジンを搭載した「アウディRS 6アバント」は単なる高性能マシンではない。ひとたび手綱を緩めてやればその奥底に流れる血が騒ぐ。ラリーウエポンのれっきとした末裔(まつえい)であることをすぐに感じ取れることだろう。クワトロ誕生から40年
このたくましいフェンダーを見よ。これはもうアスリートというよりはボディービルダー、いや格闘家の闘うための筋肉のようだ。
若いクルマ好きには想像できないだろうが、かつてアウディは「とがったところのないセカンドカー」という印象を抱かれていた時代もあった。その保守的なイメージの転機は、やはりフェルディナント・ピエヒが主導した「クワトロ」のデビューだろう。1980年のジュネーブモーターショーに登場したアウディ・クワトロは、高性能オンロードモデルにフルタイム4WD技術を導入、スポーツモデルの新たな地平を切り開いたことはご存じの通り。そのオリジナルクワトロ(ビッグクワトロ)をベースにしたラリーカーはたちまちラリー界を席巻、後に「スポーツクワトロ」(ショートホイールベースのホモロゲーションモデル)に発展し、ライバルたちとともに狂瀾怒濤(きょうらんどとう)のグループB時代のWRCの主役になったのである。
現代のアウディの「RS」はメルセデスAMGやBMW Mに相当する高性能なスペシャルモデルで、ほぼすべてアウディスポーツGmbHが開発生産を担当する。同社は1983年に設立されたその名もクワトロGmbHが前身であり、2016年に現在の社名に変更されたものだ。ちなみにグループBホモロゲーションモデルたるスポーツクワトロは2.1リッター5気筒ターボから300PSを発生、巨大なスポイラーとウイングをそびえ立たせた兵器のような最終進化型「ラリークワトロE2」では500PSを超えていたといわれるが、RS 6アバントは市販モデルで最高出力600PSを生み出す。恐るべき進化と言うほかない。もっともグループBラリーカーの最低重量は1000kg以下だった。怒り狂った猛獣に例えられるのも当然なのである。