スバル・フォレスター スポーツ(4WD/CVT)
真面目なスバルの憂鬱 2021.02.22 試乗記 「スバル・フォレスター」に先代モデル以来となるターボエンジン搭載車が復活。「スポーツ」を名乗る新グレードは、専用セッティングのサスペンションなども備えた新たな最上級モデルでもある。その仕上がりを箱根のワインディングロードで試した。実は大黒柱である
見事日本カー・オブ・ザ・イヤー2020-2021に輝いた新型「レヴォーグ」の陰に隠れてしまったというわけでもなかろうが、レヴォーグが発売された同じ10月に現行型フォレスターもマイナーチェンジを受けていた。気づかずに大変失礼いたしました。注目は新型レヴォーグに搭載された新しい1.8リッター直噴「DIT」ターボエンジンを積むスポーツが追加設定されたこと。復活したターボ・フォレスターが今回の試乗車である。
あまり目立たないが(再び失礼)、実はフォレスターこそ、スバルを支える大黒柱である。スバル自身も最量販車種のグローバル戦略車と位置づけている。コロナ禍の影響とレヴォーグのモデルチェンジを考慮して、昨2020年ではなく2019年のデータを取り上げると、国内の年間販売はフォレスターが3万台以上に対してレヴォーグはざっと1万2000台(国内販売トップは「インプレッサ」の4万台強)と大きな差がついている。
さらにスバルにとっての最重要マーケットである北米ではフォレスターは毎年「アウトバック」とベストセラーの座を争うボリュームセラーであり、どちらも年間17万~18万台ぐらいを売り上げている。最新のデータが手元になくて申し訳ないが、もっと言えば世界中で満遍なく売れているフォレスターは、現時点でも世界一売れているスバル車でもあるはずだ。ちなみに、ざっくり世界で100万台規模のスバル車のうち、およそ70万台が北米で売れている。それに対して日本は10万台程度、フォレスターと北米市場の重要度が分かる数字だろう。