アウディRS 7スポーツバック(4WD/8AT)
こう見えて実は硬派 2021.03.22 試乗記 スタイリッシュな4ドアクーペフォルムが特徴の「アウディRS 7スポーツバック」が2代目に進化。開発を手がけたアウディスポーツは、ベースとなる「A7」をいかなるレシピでハイパフォーマンスモデルに仕立てたのか。ロングドライブに連れ出し、確かめてみた。こだわりのシャシー
ここのところ、アウディの「RS」モデルに試乗する機会に恵まれている。そこで全体的に洗練度が増してきていることに加え、モデルごとに走りのキャラクターが少しずつ違うことをあたらめて実感した。RSは、アウディのハイパフォーマンスモデルを手がけるアウディスポーツが開発を担当。基本的には、圧倒的なハイパフォーマンスとデイリーユースでの親しみやすさを高度なテクノロジーによって両立させるのがRSである。しかし、ボディー形状および想定されるユーザー層などによって色合いに変化を持たせているのだ。
例えば「RS 4アバント」と「RS 5クーペ」はハードウエアの多くを共有するが、前者は乗り心地が望外に快適でファミリーユースにも適している。後者はサスペンションが引き締まったフィーリングで、よりスポーティーなドライビングを楽しむモデルといった仕上がりだ。
では、日本上陸を果たしたばかりの2代目RS 7スポーツバックはどうなのだろう? クーペのスポーティー&エレガンス、セダンの快適性、ステーションワゴンの実用性を兼ね備えるのがスポーツバックだから、さぞかしバランス志向なのだろうと予想していたが、それは少し外れた。乗り心地がやや硬めで、思っていたより硬派だったのだ。
その要因は、今回の試乗車が「DRC(ダイナミックライドコントロール)付きRSスポーツサスペンションプラス」と285/30R22サイズのタイヤといったオプションアイテムを装着していたことにある。RS 7スポーツバックは車高やダンピングを自動制御する「RSアダプティブエアサスペンション」が標準装備となっているが、ぜいたくにもそれを外してコンベンショナルな金属スプリングに変更している。
DRCは、対角線上に配置されたダンパーがオイルラインで連結され、中央のバルブがダンピングをコントロール。例えば右コーナーでは、左フロントが沈み込み、対角線上の右リアが伸びていくが、その動きを制御することで姿勢を適正に保ち、タイヤの能力を引き出すという。
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