唯一のコンプレックスも解消

実は私も、フェラーリの刺激はもう十分に味わった、おなかいっぱいです! という思いはある。しかし、フェラーリがなくなったらと思うと、どうにもさみしくなる。

あの天使のソプラノがもたらす絶頂は、思い出すだけでも十分。脳内で反すうできる。しかし、フェラーリオーナーという社会的地位は、手放したらそれまでだ。自分がカラッポになってしまいそうな気がする。

フェラーリオーナーが唯一コンプレックスを抱く対象は、ランボルギーニである。フェラーリのほうが上品だとかイタリア本国では扱いが全然違うとかいっても、日本ではランボルギーニのほうがエライとされているし、ランボルギーニオーナーはケンカも強そうだしドアも上に開く。つい「負けた」と思ってしまう。

そこで私は、フェラーリを手放すどころかフェラーリに加えてランボルギーニも半分買い、さらに重武装するに至った。これで敵はいない。カーマニアとして最強だ。完全に依存症である。

ただ、フェラーリやランボルギーニ依存症の救いは、買えばそれで満足するし、値段も下がらない点にある。

ギャンブルを長く続ければ、確率論的に必ず負けるが、フェラーリやランボルギーニは勝ち続けることができる。まさに大勝利! いや大勝利の二乗! 勝ちの決まった八百長勝負!

ならば、こう言えるのではないか。

「フェラーリやランボルギーニを買わないのはバカ!」

病気も治す必要ナシ! 死ぬまで乗り続けるぜ、うおおおおおおおおお!

こうして振り出しに戻る私でした。どうもスイマセン。

(文=清水草一/写真=清水草一、池之平昌信/編集=櫻井健一)

自身3台目となる「328」は、2019年に購入。その前の「328GTS」は、ヨーコ様と名づけたホイールまで黒のイケてる昭和の美女だったが、今回は“赤い玉号”と命名した。赤い玉号はヨーロッパ仕様の1986年モデルで、走行4万5000kmの個体であった。(写真=池之平昌信)
自身3台目となる「328」は、2019年に購入。その前の「328GTS」は、ヨーコ様と名づけたホイールまで黒のイケてる昭和の美女だったが、今回は“赤い玉号”と命名した。赤い玉号はヨーロッパ仕様の1986年モデルで、走行4万5000kmの個体であった。(写真=池之平昌信)拡大
2020年に購入した“まっすぐ走る348”こと、1994年モデルの「348GTS」の前でコナストのエノテン(右)とポーズ。この348の導入によって初めてのフェラーリ2台体制に突入! ガレージに2台の跳ね馬が鎮座する様子は、圧巻の一言であった。(写真=池之平昌信)
2020年に購入した“まっすぐ走る348”こと、1994年モデルの「348GTS」の前でコナストのエノテン(右)とポーズ。この348の導入によって初めてのフェラーリ2台体制に突入! ガレージに2台の跳ね馬が鎮座する様子は、圧巻の一言であった。(写真=池之平昌信)拡大
2台の聖遺物こと、現在の愛車「フェラーリ328GTS」(右)と半分愛車の「ランボルギーニ・カウンタック25thアニバーサリー」(左)。カーマニアとして最強の布陣だ。現在、「フェラーリやランボルギーニを買わないのはバカ!」という信念を持つに至っている。(写真=池之平昌信)
2台の聖遺物こと、現在の愛車「フェラーリ328GTS」(右)と半分愛車の「ランボルギーニ・カウンタック25thアニバーサリー」(左)。カーマニアとして最強の布陣だ。現在、「フェラーリやランボルギーニを買わないのはバカ!」という信念を持つに至っている。(写真=池之平昌信)拡大
清水 草一

清水 草一

お笑いフェラーリ文学である『そのフェラーリください!』(三推社/講談社)、『フェラーリを買ふということ』(ネコ・パブリッシング)などにとどまらず、日本でただ一人の高速道路ジャーナリストとして『首都高はなぜ渋滞するのか!?』(三推社/講談社)、『高速道路の謎』(扶桑社新書)といった著書も持つ。慶大卒後、編集者を経てフリーライター。最大の趣味は自動車の購入で、現在まで通算47台、うち11台がフェラーリ。本人いわく「『タモリ倶楽部』に首都高研究家として呼ばれたのが人生の金字塔」とのこと。

フェラーリ 488GTB の中古車
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