カバーバージョンが大ヒット

『リトル・ホンダ』の作曲は、ザ・ビーチ・ボーイズのリーダーにしてベーシスト、そしてソングライターであるブライアン・ウィルソン。リードボーカルのマイク・ラヴの手になる歌詞の内容は、「ちっぽけなバイクだけど、軽くて速くて楽しい」とばかりに称賛している。実際、小さいながらもカブはアメリカ西海岸の若者にインパクトを与え、彼らのライフスタイルに浸透し始めていたのだ。

ちなみに、時折『リトル・ホンダ』は1966年に国内発売されたペダル付きモペット「リトルホンダP25」を歌った曲だと思っている人を見かけるが、これは誤り。なぜならP25のデビュー以前にすでに曲は世に出ていたし、またリフレイン(繰り返し)部分の歌詞に「ファーストギア、セカンドギア、サードギア」と3段ギアボックスを駆使して加速していく光景が歌われていることからも、無段変速のP25ではなく3段変速のカブ系であることがわかる。むしろこの曲にあやかって命名されたのがリトルホンダP25なのである。

それはともかく、この曲に目をつけたザ・ビーチ・ボーイズに近しいプロデューサーが、ホンダをもじってThe Hondells(ザ・ホンデルズ)と名づけたグループにカバーさせたシングル盤をリリースしたところ、全米チャートで9位まで上がるヒットとなった。それを見た本家ザ・ビーチ・ボーイズもシングルカットして、こちらも小ヒット。ほかに数多くのサーフィン&ホットロッドソングを歌ったジャン&ディーンや『砂に書いたラブレター』のビッグヒットで知られるパット・ブーンなどもカバーを残している。

ホンダの本国である日本でのカバーはないのかって? 実はこれがあるのだ。

ホンダコレクションホールに展示されている北米仕様の「スーパーカブ」。手前から2台は、ディーラーで扱っていたカスタムキットが組み込まれている。
ホンダコレクションホールに展示されている北米仕様の「スーパーカブ」。手前から2台は、ディーラーで扱っていたカスタムキットが組み込まれている。拡大
1966年に登場した「リトルホンダP25」。最高出力1.2PSの49cc単気筒SOHCエンジンを搭載。自転車感覚で乗れるようブレーキは前後とも手動で、エンジンはペダル始動。価格は「スーパーカブC50」(6万4000円)の半額以下の2万9800円だった。
1966年に登場した「リトルホンダP25」。最高出力1.2PSの49cc単気筒SOHCエンジンを搭載。自転車感覚で乗れるようブレーキは前後とも手動で、エンジンはペダル始動。価格は「スーパーカブC50」(6万4000円)の半額以下の2万9800円だった。拡大
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