マツダMX-30 EVモデル ハイエストセット(前編)

2021.04.15 谷口信輝の新車試乗 個性派クロスオーバー「マツダMX-30」に、電気自動車(EV)バージョン、その名も「EVモデル」が登場。EVに対して高い関心を寄せるレーシングドライバー谷口信輝は、その仕上がりをどのように評価する?

その数字がどうにも気になる

マツダ初の量産型EVであるMX-30 EVモデルは、2020年に発売された“マイルドハイブリッド版”に続くMX-30の第2弾。そのコンセプトは「わたしらしく生きる」というやや抽象的なものだが、従来のように性能や機能の提供を第一に目指した自動車というよりも、「クルマとともにどんな毎日が過ごせるか?」という部分により重きを置いた、いわば“ライフスタイル提案型”ともいえるクルマづくりが採用されている。

MX-30 EVモデルでとりわけ興味深いのがバッテリーの総電力量を35.5kWhと比較的小さめに設定したこと。これはユーザーの実際的な使用環境を満たすとともに、生産時、使用時、廃棄時に排出されるCO2の合計で環境性能を測るLCA(ライフ・サイクル・アセスメント)評価に基づくもので、使用時に排出されるCO2のみで環境性能を評価してきた従来の自動車よりも一段階深いレベルで地球環境のことを考えたクルマといっていいだろう。

ただし、EV好きでありながら、常にバッテリー残量のことが気になる谷口信輝には、まずこのバッテリー容量の小ささが心に引っかかったようである。
「あれ、これってあと125kmしか走れないの?」

試乗を始める前にメーターパネルをのぞき込んだ谷口がそうつぶやいた。おそらく横浜で借り出した段階では満充電だったはずだが、箱根のワインディングロードにたどり着くまでに充電された電力の半分ほどを消費してしまったようだ。ちなみにマツダが一充電あたりの走行距離として公表しているのはWLTCモードで256kmである。
「これで、僕がワインディングロードを行ったり来たりしていたら、編集部まで帰り着けないでしょう?」

心の優しい谷口は編集スタッフのことを心配してくれたようだが、当のスタッフは帰る途中で充電することをあらかじめ織り込み済みだという。これを聞いた谷口は、軽い心配を残しつつも、マツダ初の量産型EVをおもむろに発進させたのである。

 
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