はーいメルセデス

Sクラスは静かに動き出した。ああ、やっぱりSクラスの後席はスバラシイ。クラウンだと、高速道路以外では覆面に間違えてもらえないが、Sクラスはどこを走ってもSクラス。本当にスバラシイ……。

せっかくなので、後席のマッサージ機能も起動した。Sクラスが、ポコポコポコポコと背中をたたいてくれている。私は大変な親孝行をしてもらっている気分になり、目頭が熱くなった。

オレ:サクライ君、こんなクルマに乗せてくれて、本当にありがとう。
サクライ:いえいえ、おやすい御用です。
オレ:ところでサクライ君、ひとつお願いがあるんだ。
サクライ:なんでしょう。
オレ:「ARナビ」を起動させてくれない?
サクライ:はい。じゃ目的地を辰巳PAに設定しましょう。目的地を設定しないと起動しないので。

そ、そうだったのかー! 前回S400dの試乗の際、結局起動できなかったのは、目的地を設定しなかったからなのか! 私は、まずARナビをオンにしてからすべてが始まるのかと思っていた。そんな必要はなかったのか! さすがメルセデス!

サクライ君は、「はーいメルセデス」と言って「MBUX」を起動し、「辰巳パーキングに行きたい」と指令した。

ところがまったく聞き取ってくれない。ほとんどシカトに近い反応である。何度か試したがダメだった。

オレ:なんだよ! 2000万もするのに、俺の中古「iPhone 8」(約3万円)より全然できないじゃん!

今回「S500 4MATICロング」の試乗は後席からスタート。ロングホイールベース仕様だけあって、足元の余裕はかなりのもの。せっかくなので後席のマッサージ機能も起動させ、世界屈指といわれるメルセデス自慢の快適性を確かめてみた。
今回「S500 4MATICロング」の試乗は後席からスタート。ロングホイールベース仕様だけあって、足元の余裕はかなりのもの。せっかくなので後席のマッサージ機能も起動させ、世界屈指といわれるメルセデス自慢の快適性を確かめてみた。拡大
東京・杉並の住宅地を行く「S500 4MATICロング」。愛車である「ランボルギーニ・カウンタック」よりも車幅が狭く、さらに車速が60km/h以下の状態では、フロントと逆位相に最大4.5°まで後輪を操舵する「リア・アクスルステアリング」が標準装備されているおかげで、意外にも走りやすかった。
東京・杉並の住宅地を行く「S500 4MATICロング」。愛車である「ランボルギーニ・カウンタック」よりも車幅が狭く、さらに車速が60km/h以下の状態では、フロントと逆位相に最大4.5°まで後輪を操舵する「リア・アクスルステアリング」が標準装備されているおかげで、意外にも走りやすかった。拡大
実に263個(ロングボディー車)ものLEDを用いたアンビエントライトが標準装備される「Sクラス」。照明としてはもちろん、光が流れるような演出や色を連続変化させたりすることもできる。設定や操作は「MBUX」で行えるようになっている。
実に263個(ロングボディー車)ものLEDを用いたアンビエントライトが標準装備される「Sクラス」。照明としてはもちろん、光が流れるような演出や色を連続変化させたりすることもできる。設定や操作は「MBUX」で行えるようになっている。拡大
清水 草一

清水 草一

お笑いフェラーリ文学である『そのフェラーリください!』(三推社/講談社)、『フェラーリを買ふということ』(ネコ・パブリッシング)などにとどまらず、日本でただ一人の高速道路ジャーナリストとして『首都高はなぜ渋滞するのか!?』(三推社/講談社)、『高速道路の謎』(扶桑社新書)といった著書も持つ。慶大卒後、編集者を経てフリーライター。最大の趣味は自動車の購入で、現在まで通算47台、うち11台がフェラーリ。本人いわく「『タモリ倶楽部』に首都高研究家として呼ばれたのが人生の金字塔」とのこと。

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