ものづくりの基本が変わる

そもそも金属用3Dプリンターとはどのようなマシンなのだろうか? それは、ごく微細な金属粉末の層を重ねながらモデリングできる技術で、これまで難しかった複雑なカタチの金属部品をつくることを可能にする特殊な工作機械だ。自動車産業や航空宇宙産業のほか、医療の分野でもすでに利用されている。群馬県太田市に多く存在する自動車部品メーカーなどが、付加価値の高い分野へ進出し新事業をスタートするために、協働しながら活用を進めていくという。

過日、日本ミシュランタイヤも、タイヤの金型を製造する際に使っている「3Dメタルプリンティング」の独自技術を活用し、他社にさまざまなビジネスを提案していく方針を発表した。今後はタイヤだけでなく、これをビジネスの柱にしていきたいという。具体的には太田市にある同社の研究開発拠点をベースに2021年7月に共同組織を立ち上げ、2022年4月に本格的に始動する予定だ。使用する金属用3Dプリンターはミシュランの関連企業である「AddUp」の製品で、アジア圏への事業展開も視野に入れている。

一方、BMWは2018年の時点で、過去10年間で100万点を超えるパーツをプリント試作したと発表している。しかも、その後の10年以内にすべての車両に数千点の3Dパーツが使われることも想定している。そしてその言葉通り、プラグインハイブリッドのスポーツカー「i8ロードスター」の製造に際しては、3Dプリンターで生産した数千点もの“AM部品”が用いられた。

AMとは「Additive Manufacturing」の略で、3Dプリンティングの積層造形技術による製造方式のことを指す。今後、メーカーの開発・製造現場に大きな影響を及ぼすことが確実といわれている最新技術、AM部品はその恩恵をダイレクトに受けたプロダクトだ。

3Dプリンティング技術によるパーツづくりに積極的なBMW。プラグインハイブリッドのスポーツカー「i8ロードスター」(写真)では、オープンカーのキモとなるソフトトップの構造材に同技術が生かされた。
3Dプリンティング技術によるパーツづくりに積極的なBMW。プラグインハイブリッドのスポーツカー「i8ロードスター」(写真)では、オープンカーのキモとなるソフトトップの構造材に同技術が生かされた。拡大
こちらは2015年に公開されたプジョーのコンセプトカー「フラクタル」の内装。オープンカーでありながら優れた音響効果をもたらすという複雑な形状のドア内張りは、3Dプリンターで製作されたものだった。そのプジョーブランドのクルマは現在、シャシー用パーツも多くが3Dプリンターでつくられている。
こちらは2015年に公開されたプジョーのコンセプトカー「フラクタル」の内装。オープンカーでありながら優れた音響効果をもたらすという複雑な形状のドア内張りは、3Dプリンターで製作されたものだった。そのプジョーブランドのクルマは現在、シャシー用パーツも多くが3Dプリンターでつくられている。拡大
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