電動化時代の買い替え振興策と捉えれば……

この登録13年で突如ふりかかる“旧車増税”は、当然のごとく、クルマ好きの間ですこぶる評判が悪い。ヒストリックカーの文化的意義へのリスペクトに欠けるといわれても仕方ない面がなくはないし、また「クルマにかぎらず、まだ使えるものを捨てさせるほうが、非エコだろ!?」という言い分も、まったく正論というほかない。

しかし、旧車増税については、じつは私は基本的に反対ではない。年間1万円強程度の増税なら、それだけの理由で気に入っているクルマを手放すつもりもない。私の比ではない高額納税者のほった君も同じく増税甘受派のひとりで、彼はむしろ(軽自動車増税に合わせた)プチ税制改正で大排気量車の自動車税まで引き下げられた際に、「軽自動車が増税されて、こんな環境負荷の高いクルマが減税されるなんて世の中おかしい」と身もだえしたという社会派マゾヒスト(?)である。

今やすっかりおなじみとなったエコカー減税・補助金も、導入のキッカケはリーマンショックであり、その本質は景気刺激政策だった。旧車増税も似ている。最新環境車への買い替え促進を目的とする旧車増税も「CO2(と排ガス有毒物質)の排出削減」という表向きの環境政策以外に、日本を支える自動車産業に対する支援策の意味もある。なので、日本の旧車増税の主なターゲットはあくまで“古いクルマになんとなく乗り続けてしまっている人”である。そのせいでヒストリックカーを真面目に愛でるエンスージアストがわりを食ってしまうことにアンビバレントな思いも起こるが、そこの線引きは事実上不可能だろう。

また、その旧車増税にしても、古い(≒貴重)ほど負担が増えていく累進課税でもなく、その増税額も禁止税的なほどに莫大なものとはいえない。この点を見れば、そこに“ヒストリックカーいじめ”の意図がないことは明らかだ。筋金入りのエンスージアストであれば、この程度の負担増は社会的コストとして受け入れてもいいのでは……と個人的には思う。もっとも、その旧車増税もなぜかハイブリッド車が対象外だったり、重量税だけは新車登録から18年経過時にさらに引き上げられたりする点は議論の余地があろう。また「そもそも日本の自動車関連の税金は高すぎる」という点は同意する。

トヨタ博物館が主催する、クラシックカー・フェスティバルの様子。折々で古いクルマの文化価値を訴える自動車メーカー(≒日本自動車工業会)は、”旧車増税”をどう捉えているのか? ちょっと聞いてみたくなった。
トヨタ博物館が主催する、クラシックカー・フェスティバルの様子。折々で古いクルマの文化価値を訴える自動車メーカー(≒日本自動車工業会)は、”旧車増税”をどう捉えているのか? ちょっと聞いてみたくなった。拡大
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