“汚い”缶に詰め込みたい

幸いなことに、考案者でファウンダーのパオロ・ダッラ・モーラ氏自身が書面でインタビューに答えてくれた。

ダッラ・モーラ氏はボローニャ大学経済学部を2001年に卒業後、2003年にマーケティングの修士号を取得。著名なファッションブランド、モスキーノのチーフマーケティングオフィサーやデザイン学校であるIEDの教職などを経て、2019年にエンジン社を設立した。

筆者(以下Q):ENGINEとGINのジョークから始まって、その後に商品をつくることになったのですか? 最初に新しいジンの構想ありきで、後からブランドにたどり着いたのですか? それとも……

ダッラ・モーラ氏(以下DM):きっかけは2014年に出張で訪れたニューヨークでした。マンハッタンのザ・デッド・ラビット(筆者注:現地にある世界的に有名なバー)で、そこに並べられた美しいボトルを眺めていて、もっと“汚す”必要があると思ったのです。そこで“汚いもの”はないかと考えたところ、オイル缶のアイデアがひらめきました。

Q:ENGINEのウェブサイトでは「オイル缶や燃料缶、モトクロスレースやレーシングカーなど、1980年代の偉大な神話のイメージを表現しています」と解説しています。大ヒットした米国のテレビシリーズ『爆発! デューク(原題:The Dukes of Hazzard)』で、主人公の愛車を務めた初代「ダッジ・チャージャー」をイメージしたとも記されています。あなた自身のクルマ生活について教えていただけますか?

DM:私は幼いころからモトーレ(エンジン)に情熱を注いできました。初めて運転したのは4歳のときで、フィアット製農業用トラクターでした。14歳になると母の「フィアット・ウーノ」で野原を運転し始めました。初めて自分で買った中古車は、1980年代の「ランドローバー・レンジローバー」です。ディーゼルターボ仕様で、まるで戦車でしたね。その後、大学時代はアルバイトをして「フォルクスワーゲン・ニュービートル」を手に入れました。

「ENGINE」の考案者にしてファウンダーのパオロ・ダッラ・モーラ氏。
「ENGINE」の考案者にしてファウンダーのパオロ・ダッラ・モーラ氏。拡大
「GTバーテンダーキット」は120ユーロ(約1万5000円)。
「GTバーテンダーキット」は120ユーロ(約1万5000円)。拡大
「2ストローク」と名づけられたキット。42ユーロ(約5400円)
「2ストローク」と名づけられたキット。42ユーロ(約5400円)拡大
「ダッジ・チャージャー」(1969年)。テレビシリーズ『爆発! デューク』の劇中車として人気を博した。
「ダッジ・チャージャー」(1969年)。テレビシリーズ『爆発! デューク』の劇中車として人気を博した。拡大
大矢 アキオ

大矢 アキオ

コラムニスト/イタリア文化コメンテーター。音大でヴァイオリンを専攻、大学院で芸術学を修める。1996年からシエナ在住。日本を代表するイタリア文化コメンテーターとして語学テキストやデザイン誌等に執筆活動を展開。21年にわたるNHK『ラジオ深夜便』リポーター、FM横浜『ザ・モーターウィークリー』季節ゲストなど、ラジオでも怪気炎をあげている。『Hotするイタリア』『イタリア発シアワセの秘密 ― 笑って! 愛して! トスカーナの平日』(ともに二玄社)、『ザ・スピリット・オブ・ランボルギーニ』(光人社)、『メトロとトランでパリめぐり】(コスミック出版)など著書・訳書多数。YouTube『大矢アキオのイタリアチャンネル』ではイタリアならではの面白ご当地産品を紹介中。

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