全方位的に進化した“2”

そんなミシュランの「雪も走れる夏タイヤ」が第2世代へと進化して、その名もクロスクライメート2としてリリースされる運びとなった。初代モデルのコンセプトはそのままに、そこからのリファインのポイントとして夏タイヤ/冬タイヤとしての両性能に加え、そんな性能の持続性、さらには昨今求められている環境性能の向上と、さまざまな性能を満遍なく高めることが目標として挙げられている。

そうした進化型クロスクライメート開発のための具体的手法としてまず報告されているのは、新開発されたコンパウンド「サーマル・アダプティブ・コンパウンド」の採用だ。さらに、従来と同様に回転方向性を備えたトレッドパターンも実は新しいデザインになっている。V字の切れ角が大きく、センター部からショルダー部にかけて溝の面積が増していくデザインは、ヘビーウエット時やシャーベット路走行時の排水性の向上を狙ったことは明らか。また、摩耗進行時にブロックの側面に新たな凹凸と溝が出現する「Pエッジ」と名づけられた技術も同様に、効率的な排水・排雪とエッジ効果によるウエット、雪上性能の向上を狙ったものとされている。

一方、トレッド部分には、サマータイヤ性能の向上に特化したアイデアも盛り込まれている。まず、「V-Ramp Edge(Vランプエッジ)」と呼ばれるトレッドエッジ部の倒れ込み防止策がそのひとつ。これは、制動時にブロックの倒れ込みを防止し接地面を最大化し、高い制動力を得ようという技術。もうひとつは「LEVサイプ」と呼ばれるパターンの技術。これは、隣り合うブロック同士が支えあって倒れ込みを防止し、効果的なグリップを獲得するとともに、耐摩耗性と転がり抵抗の低減を図るという環境性能向上のための技術でもある。

ミシュランの市場調査によれば、通年用タイヤのユーザーは近年、「夏性能(ドライ/ウエット性能)」「雪上性能」「(それらパフォーマンスの)持続性」の順に性能を重視する傾向にあり、開発する側もそのニーズを踏まえたうえで製品の進化を図っているとのことだ。

「クロスクライメート2」には、幅広い路面コンディションに対応可能な「サーマル・アダプティブ・コンパウンド」と呼ばれる新開発コンパウンドが採用されている。従来のものに比べ、低めの温度域で性能を発揮できるように進化しているのが開発上のポイント。
「クロスクライメート2」には、幅広い路面コンディションに対応可能な「サーマル・アダプティブ・コンパウンド」と呼ばれる新開発コンパウンドが採用されている。従来のものに比べ、低めの温度域で性能を発揮できるように進化しているのが開発上のポイント。拡大
従来品よりも大きく切れ込んだ、「新Vシェイプトレッドパターン」と呼ばれるV字型の形状は「クロスクライメート2」最大の特徴。この溝が優れた排水・排雪性能に貢献する。
従来品よりも大きく切れ込んだ、「新Vシェイプトレッドパターン」と呼ばれるV字型の形状は「クロスクライメート2」最大の特徴。この溝が優れた排水・排雪性能に貢献する。拡大
ブロックのエッジ部分には面取り加工が施されており、中央部に見られる細い切れ込み「LEVサイプ」と合わせてブロック自体の倒れ込みを抑制。ドライ路面での接地面を最大化させる。
ブロックのエッジ部分には面取り加工が施されており、中央部に見られる細い切れ込み「LEVサイプ」と合わせてブロック自体の倒れ込みを抑制。ドライ路面での接地面を最大化させる。拡大
ドライのハンドリング路を「アウディA4」で限界付近まで攻めてみる。「クロスクライメート2」の夏タイヤとしてのポテンシャルは、全く不満のないレベルといえる。
ドライのハンドリング路を「アウディA4」で限界付近まで攻めてみる。「クロスクライメート2」の夏タイヤとしてのポテンシャルは、全く不満のないレベルといえる。拡大
あなたにおすすめの記事
新着記事