すべてが最新のクーンタッチだった

ランボルギーニファンであれば承知の通り、カウンタック後継のフラッグシップモデルはすべてこのスタンツァーニレイアウトを踏襲する。それゆえいつの時代もランボルギーニの旗頭はスーパーカーの雄であり続けた。言い換えればカウンタックの精神が、神髄が、念が、後継モデルたちを憑代として現代へと受け継がれてきたのだ。この考えは決して筆者独特のものではなく、例えば現在ランボルギーニ社の開発トップであるマウリツィオ・レッジャーニも賛同している。それに初代カウンタックが唯一、闘牛由来の名前でないことも思い出していただきたい。それはかくもスピリチュアルな存在だった。

それゆえ筆者はディアブロ やムルシエラゴ、アヴェンタドールはもちろんのこと、派生モデルである「レヴェントン」や「ヴェネーノ」、「チェンテナリオ」に「シアン」もまた“クーンタッチ”だったと思っている。だとすれば先日、ペブルビーチでカウンタックの50周年を記念して発表された世界112台限定モデルをランボルギーニが“カウンタック“と呼ぶことに何の反論があろうか。なぜならその神髄もまたクーンタッチのままなのだから。

この「カウンタックLPI800-4」を「ガンディーニデザインへの冒涜(ぼうとく)だ」と批判するマニアもいる。そう言いたい気持ちも痛いほどわかる。けれども偉大なる初代を超えることなど100%無理であることは、デザイナーのミッティア・ボルケートも、そしてランボルギーニ首脳もわかりすぎるほどわかっていただろう。それに超えることのできるようなデザインであったなら、ハナからそれをリプロしようなどとは思わない。ちまたの例もしかり。

さらに言えば、これがもしオリジナルデザインの再現にこだわるあまり、例えば「ウラカン」をベースに形をつくり、それをカウンタックと呼んだとすれば、私は声を大にして反対した。いかに形がLPI800-4よりオリジナルに似ていて、いかに高性能であっても、スタンツァーニのLPレイアウトを踏襲しないモデルをカウンタックと呼ぶことには賛成したくないからだ。

例えばミウラ40周年を記念してプロトタイプがつくられ、生産が見送られたミウラ プロトはそこがまるで違っている。あれはおそらくV12、いや、ひょっとするとV10縦置きで企画されていた。そんなクルマをミウラと呼ぶことはできない。前提条件が違いすぎるのだ。

カウンタックは、その神髄となるレイアウトは、途切れることなくつくられてきた。カウンタックは名を変え進化してきた。ミウラはそうではなかった。半世紀以上前に途絶えた血統だった。

「カウンタックLPI800-4」(写真右)の最高出力は780PS、最大トルクは720N・m。かつての「カウンタック」からすれば、実に1.5~2倍以上というパワーだ。
「カウンタックLPI800-4」(写真右)の最高出力は780PS、最大トルクは720N・m。かつての「カウンタック」からすれば、実に1.5~2倍以上というパワーだ。拡大
「カウンタックLPI800-4」には大型のリアウイングは装着されない。その後ろ姿は、まさにカウンタックのそれである。
「カウンタックLPI800-4」には大型のリアウイングは装着されない。その後ろ姿は、まさにカウンタックのそれである。拡大
21世紀の「カウンタック」のコックピットは極めて現代的。液晶パネル上に、カラフルなメーターのグラフィックが浮かび上がる。
21世紀の「カウンタック」のコックピットは極めて現代的。液晶パネル上に、カラフルなメーターのグラフィックが浮かび上がる。拡大
スタイリッシュかつユニークなデザインで仕立てられた「カウンタックLPI800-4」のシート。
スタイリッシュかつユニークなデザインで仕立てられた「カウンタックLPI800-4」のシート。拡大
凝ったデザインのホイール。形状はさほど似ていないが、オリジナルの「カウンタック」を想起するから不思議である。
凝ったデザインのホイール。形状はさほど似ていないが、オリジナルの「カウンタック」を想起するから不思議である。拡大
ランボルギーニ の中古車
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