ホンダが「NSXタイプS」を発表 30台限定のエボリューションモデル

2021.08.30 自動車ニュース
ホンダNSXタイプS
ホンダNSXタイプS拡大

本田技研工業は2021年8月30日、2代目「NSX」の最終モデル「NSXタイプS」の購入申し込みについて、同年9月2日に受け付けを開始すると発表した

「NSXタイプS」の特徴を説明する本田技研工業の水上 聡氏。
「NSXタイプS」の特徴を説明する本田技研工業の水上 聡氏。拡大
新色の「カーボンマットグレー・メタリック」はホンダ初のマットカラー。10台限定で設定される69万3000円の有償色である。
新色の「カーボンマットグレー・メタリック」はホンダ初のマットカラー。10台限定で設定される69万3000円の有償色である。拡大
「NSXタイプS」の販売台数はグローバルで350台。日本向けは30台の限定となる。
「NSXタイプS」の販売台数はグローバルで350台。日本向けは30台の限定となる。拡大
パワーユニットやシャシー、エアロダイナミクスの改良により、動力性能の向上が図られている。
パワーユニットやシャシー、エアロダイナミクスの改良により、動力性能の向上が図られている。拡大
「NSXタイプS」のインストゥルメントパネルまわり。
「NSXタイプS」のインストゥルメントパネルまわり。拡大
内装色は3種類から選択可能だ。
内装色は3種類から選択可能だ。拡大
エンジンルームでは、赤いセンターカバーが目を引く。
エンジンルームでは、赤いセンターカバーが目を引く。拡大
エンジンはターボなど補器類の改良により、22PSの出力向上を実現。
エンジンはターボなど補器類の改良により、22PSの出力向上を実現。拡大
フロントのツインモーターユニットは、加速性能向上のためにローギアード化された。
フロントのツインモーターユニットは、加速性能向上のためにローギアード化された。拡大
サスペンションでは磁性流体ダンパーの制御に用いる電力量を増大。減衰力の変化の幅を拡大した。
サスペンションでは磁性流体ダンパーの制御に用いる電力量を増大。減衰力の変化の幅を拡大した。拡大
「NSXタイプS」専用の「ピレリPゼロ」タイヤと、新設計の鍛造アルミホイール。
「NSXタイプS」専用の「ピレリPゼロ」タイヤと、新設計の鍛造アルミホイール。拡大
バッテリーの出力向上と使用可能容量のアップは、EV走行時の加速レスポンス向上や、EV走行領域の増大に寄与している。
バッテリーの出力向上と使用可能容量のアップは、EV走行時の加速レスポンス向上や、EV走行領域の増大に寄与している。拡大
新デザインのフロント/リアセクションは、空力性能の向上やパワートレインの冷却性の改善を意図したものだ。
新デザインのフロント/リアセクションは、空力性能の向上やパワートレインの冷却性の改善を意図したものだ。拡大
「NSXタイプS」は、2022年7月の発売が予定されている。
「NSXタイプS」は、2022年7月の発売が予定されている。拡大

2代目「NSX」の集大成

ホンダNSXは、ミドシップのエンジンレイアウトを採用した高性能スポーツモデルである。現行型は2016年8月にデビューした2代目にあたり、高出力の3.5リッターV6ツインターボエンジンと、フロント2基、リア1基の電動モーターによるハイブリッド4WDシステム「スポーツハイブリッドSH-AWD」を搭載し、高い動力性能を実現した。

今回発表されたタイプSは、NSXが2022年12月に生産終了となるのに合わせて設定された最終モデルであり、販売台数はグローバルで350台のみ。このうちの30台が日本に導入される。パワーユニットの性能向上や足まわりの改良、空力特性の見直しなどを通して、標準車よりさらに動力性能が高められており、大きく変わった外装デザインや専用設定のボディーカラー、各部に採用された専用パーツなどによっても、既存のモデルとの差異化が図られている。

システム最高出力を610PSにアップ

パワーユニットに関しては、エンジン、トランスミッション、電動ユニットのすべてに改良を加えている。

赤いセンターカバーが目を引くエンジンについては、高耐熱ターボチャージャーの採用による5.6%の過給圧アップや、インジェクターの燃料噴射量の増量(25%)、インタークーラーの放熱量の増大(15%)などにより、高出力化を追求。標準車より22PS高い529PS/6500-6850rpmの最高出力と、50N・m大きい600N・m/2300-6000rpmの最大トルクを実現した。

一方、電動ユニットについては、前2輪を駆動するツインモーターユニットを20%ローレシオ化し、加速時のレスポンスを改善。IPU(インテリジェントパワーユニット)のバッテリーも出力を10%、使用可能容量を20%アップさせ、よりスムーズかつ長い時間のEV走行を可能にした。これらの改良により、パワーユニット全体でのシステム最高出力は、標準車より29PS高い610PSを実現。システム最大トルクも21N・m増大し、667N・mとなった。

このほかにも、エンジンやリアモーターと組み合わされる9段DCTには新たに「パドルホールド・ダウンシフト」機能を搭載。減速側のシフトパドルを0.6秒ホールドすると、その状態で落とせる最も低いギアまで一気にシフトダウンし、コーナー脱出時の再加速などをより素早く行えるようになった。

またパワーユニット関連ではエンジンサウンドのチューニングも行っており、ドライビング時の高揚感やクルマとの一体感をさらに高めるサウンドを実現しているという。

すべてのシーンで“操る喜び”を追求

足まわりにも改良を加えており、アクティブダンパーシステムについては磁性流体の制御に用いる電力量をアップ。ダンパー減衰力の変化量を増やすことで、ハンドリング性能とコンフォート性能を同時に改善したという。さらに、タイヤにはピレリと共同開発した同車専用の「Pゼロ」を採用することで、グリップ力を強化。ホイールも専用デザインの鍛造製となっており、インセットの変更によるワイドトレッド化(前:10mm、後ろ:20mm)により、限界性能(最大横G)やコントロール性の向上を図っている。

こうしたパワーユニットやシャシーの改良に合わせて、4つの走行モードを備えた「インテグレーテッド・ダイナミクス・システム」も最適化。可変ダンパーや電動パワーステアリング、4WDシステムの駆動力配分などの制御を見直したという。

各モードにおける変更を挙げると、「クワイエット」モードではEV走行時の加速性能を向上させたほか、EV走行が可能な領域を拡大。「スポーツ/スポーツ+」モードでは4WDの駆動力制御と姿勢制御を見直すことで、コーナリング時のライントレース性と加速時のレスポンスを高めている。さらに「トラック」モードについては、サーキットなどにおける高速走行時のコントロール性を改善。エンジンサウンドのチューニングとも相まって、「すべてのシーンにおいてNSXタイプSならではの『操る喜び』を具現化した」(報道資料より)としている。

エクステリアデザインについても、空力性能とパワートレインの冷却性向上の観点から大きく手が加えられた。特に大きな違いとなっているのがフロントの造形で、ダクト内への空気の流入を増やすべくグリルのセンター開口部を拡大。サイドラジエーターについても、より均一に空気が流れるよう設計を見直した。さらに、リアインタークーラーへの空気の流速を高めるべく、バンパーの左右両端の形状を変更。冷却効率の改善を図っている。一方、空力性能に関してはカーボン製のフロントリップスポイラーや大型のリアディフューザーの装着により、空気の床下流量を増大。ダウンフォースを増強したという。

これらのパワーユニットやシャシー、電子制御、エアロダイナミクスの改良により、NSXタイプSは動力性能が大きく向上。鈴鹿サーキットでは、従来のNSXより2秒速いラップタイムを実現しているという。

内外装のデザインにも違いが

視覚的な点でも標準車との差異化を図っており、エクステリアではより“低さ”を強調する意匠となったフロントまわりや、ワイドなスタンスを感じさせるリアまわりの造形に加え、専用デザインのホイール、左右リアフェンダーパネルに貼られた「Type S」のデカール、黒基調でデザインされたヘッドランプ/リアコンビランプのハウジングやドアミラー、ドアハンドル、マフラーなどがタイプSならではの特徴となっている。

一方インテリアでは、シートのカラーバリエーションを刷新するとともに、ヘッドレストに「NSX」の刺しゅうを採用。グローブボックスにも「Type S」のロゴをあしらっている。

ボディーカラーは10台限定で用意される新色の「カーボンマットグレー・メタリック」のほか、新色「ロングビーチブルー・パール」を含む全10色。インテリアカラーは「レッド」「オーキッド」「エボニー」の3色から選択が可能だ。

価格は2794万円。発売は2022年7月を予定している。

(webCG)

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