これっきりですか?

……それは本欄第674回でリポートしたイベントの主催者で、古いルノーやシトロエンのパーツショップを営むマッシモ・デ・マルコさんである。

来訪した趣旨を伝えると、すぐさま背後の部品庫から「ルノー4」の現物のフロントバンパー関連部品を持ってきて並べ、筆者に告げた。

「これで全部だよ」

その内訳と価格は以下のとおりである(いずれもリプロダクション品)。
バンパー本体:43.9ユーロ(約5600円)
ゴム製オーバーライダー:22.95ユーロ(約2900円/1個)
ボルト:2.95ユーロ(約380円/1本)
支持金具キット:79.9ユーロ(約1万円)

オーバーライダーを左右それぞれと、ボルトを必要本数の4本そろえても、合計約2万3000円である。前述のAクラスの場合は樹脂製バンパーアッシーだけの価格だが、こちらは全部ひっくるめてこの値段だ。

マッシモさんによれば、初心者でも取り付けできるという。したがって、工賃をゼロとすることが可能だ。

ぶつけないに越したことはないが、万一の場合の金銭的負担が少ないので、ひいては心理的負担も少ない。

ちなみにオーバーライダーはリアバンパーと共通である。こういう合理的な設計が筆者は好きだ。

ルノー4が生産終了した1992年、それはすでに十分に特殊なクルマとなっていた。

しかしながら、ここまで単純なバンパーを持つモデルがわずか28年前まで現役だったのである。

と、思いにふけったところで、もう1台大切なサンプルを忘れていた。

古いルノーとシトロエンのパーツ専門店であるデ・マルコ・パーツを営むマッシモ・デ・マルコさん。右は「ルノー4」(1969年)。
古いルノーとシトロエンのパーツ専門店であるデ・マルコ・パーツを営むマッシモ・デ・マルコさん。右は「ルノー4」(1969年)。拡大
「ルノー4」のバンパーは4本のボルトを使い、支持金具を介して車体に取り付けられている。
「ルノー4」のバンパーは4本のボルトを使い、支持金具を介して車体に取り付けられている。拡大
バンパーはメッキと着色、黒があるが、いずれも取り付け方法は同じ。
バンパーはメッキと着色、黒があるが、いずれも取り付け方法は同じ。拡大
リアのオーバーライダーは、フロント用と共通である。
リアのオーバーライダーは、フロント用と共通である。拡大
「ルノー4」のフロントバンバー用リプロダクション部品をカウンターに並べてくれたマッシモさん。
「ルノー4」のフロントバンバー用リプロダクション部品をカウンターに並べてくれたマッシモさん。拡大
こちらがその一式。バンパーとオーバーライダー、支持金具セット、そしてボルト4本。
こちらがその一式。バンパーとオーバーライダー、支持金具セット、そしてボルト4本。拡大
これは「GTL」仕様にのみ左右サイドに付加するバンパーボウ。
これは「GTL」仕様にのみ左右サイドに付加するバンパーボウ。拡大
「ルノー4」が現役だった時代のパーツカタログ(複写)。
「ルノー4」が現役だった時代のパーツカタログ(複写)。拡大
「ルノー4 GTL」のバンパー用構成部品を示した図。
「ルノー4 GTL」のバンパー用構成部品を示した図。拡大
大矢 アキオ

大矢 アキオ

コラムニスト/イタリア文化コメンテーター。音大でヴァイオリンを専攻、大学院で芸術学を修める。1996年からシエナ在住。日本を代表するイタリア文化コメンテーターとして語学テキストやデザイン誌等に執筆活動を展開。21年にわたるNHK『ラジオ深夜便』リポーター、FM横浜『ザ・モーターウィークリー』季節ゲストなど、ラジオでも怪気炎をあげている。『Hotするイタリア』『イタリア発シアワセの秘密 ― 笑って! 愛して! トスカーナの平日』(ともに二玄社)、『ザ・スピリット・オブ・ランボルギーニ』(光人社)、『メトロとトランでパリめぐり】(コスミック出版)など著書・訳書多数。YouTube『大矢アキオのイタリアチャンネル』ではイタリアならではの面白ご当地産品を紹介中。

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