国費の投入を恐れるなかれ

その方法論だが、税金(というより国債)をブチ込んで、部分的に高速道路の借金を返してしまうのである。現在、高速道路保有機構が抱える債務は29兆円。民営化時点では40兆円だったので、順調に返済は進んでいるが、借金の元金を大きく減らせれば、今すぐいろいろな割引策や一部無料化策が打てる。

昨年(2020年)、新型コロナ対策として国民全員に10万円ずつが配られた。総額13兆円。すべて国債の増発でまかなわれた。これまで財務省や一部経済学者たちは、「国の借金が増えすぎると国家経済が破綻する」と主張してきたが、昨年来の新型コロナ対策による超大盤振る舞いでも、日本経済には何事も起きていない。

いや、一線を越えたら雪崩を打って崩壊するのかもしれませんよ。そこはホントにわかりません。でも、政府が自国民から借金している間は大丈夫という説も有力になっている。だいたい今、国債の半分(48%)は日銀が持っている。自分で自分に借金してるみたいなもので、そもそも「カネ返せ!」と言ってくる者がいない。

13兆円とは言わずとも、高速道路にそれなりの金額をブチ込んで債務を圧縮してしまえば、地方の過疎路線はそのぶん無料化できる。現状ガラガラの路線は、料金収入だって微々たるものだ。一方、大都市圏や幹線は、永久に有料でいい。

日本同様の有料道路制度を持つイタリアでは、南部は料金無料。日本も、それぞれの地方の事情に合わせた料金体系に移行すべきではないか。

(文=清水草一/写真=NEXCO東日本/編集=堀田剛資)

一口に高速道路と言っても、その実情や使われ方は地域によって大きく異なる。料金体系の改革については、より柔軟な議論が求められる。
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