コンパクトなハイパフォーマンスカー 新型「アウディRS 3スポーツバック/RS 3セダン」上陸

2021.11.27 自動車ニュース 生方 聡
アウディRS 3スポーツバック(以下、写真はすべて「RS 3スポーツバック ファーストエディション」の欧州仕様車)
アウディRS 3スポーツバック(以下、写真はすべて「RS 3スポーツバック ファーストエディション」の欧州仕様車)拡大

アウディ ジャパンは2021年11月27日、SUPER GT第8戦が開催されている静岡県の富士スピードウェイにおいて、ハイパフォーマンスモデル「RS 3スポーツバック」「RS 3セダン」の国内導入を発表した。2022年4月下旬から販売を開始する。

アウディ ジャパンのマティアス・シェーパース社長と。新型「RS 3スポーツバック/RS 3セダン」については、2022年は800台ほどの販売を見込んでいるという。
アウディ ジャパンのマティアス・シェーパース社長と。新型「RS 3スポーツバック/RS 3セダン」については、2022年は800台ほどの販売を見込んでいるという。拡大
リアまわりでは、RS専用リアバンパーが目を引く。
リアまわりでは、RS専用リアバンパーが目を引く。拡大
2.5リッター直5ターボエンジンは最高出力400PS、最大トルク500N・mを発生。
2.5リッター直5ターボエンジンは最高出力400PS、最大トルク500N・mを発生。拡大
シートはレッドステッチと車名ロゴでドレスアップされている。写真のモデルは欧州仕様車で、日本仕様車は右ハンドルとなる。
シートはレッドステッチと車名ロゴでドレスアップされている。写真のモデルは欧州仕様車で、日本仕様車は右ハンドルとなる。拡大
コックピットには、レーシーなムードがただよう。
コックピットには、レーシーなムードがただよう。拡大
メーターパネルは12.3インチの液晶タイプ。
メーターパネルは12.3インチの液晶タイプ。拡大
リアシートの座面や背もたれもレッドステッチで飾られる。
リアシートの座面や背もたれもレッドステッチで飾られる。拡大
「RS 3スポーツバック ファーストエディション」の19インチホイール。
「RS 3スポーツバック ファーストエディション」の19インチホイール。拡大

ドリフトもタイムアタックも思いのまま

RS 3スポーツバックとしては3代目、RS 3セダンとしては2代目となるこれらニューモデルは、アウディスポーツ社が手がけるハイパフォーマンスモデルだ。2.5リッター直列5気筒ターボエンジンとフルタイム4WDのクワトロを搭載するのはこれまでどおりで、最新のRS 3シリーズには、最高出力400PS、最大トルク500N・mの2.5 TFSIエンジンを採用。先代に対して最大トルクが20N・m向上している。組み合わされるトランスミッションはデュアルクラッチギアボックスの7段Sトロニックだ。

RS 3シリーズのクワトロは、リアアクスルに2組の電子制御湿式多板クラッチを搭載し、これらにより前後アクスルのトルクを配分するのに加えて、リア左右のトルクをコントロールする。この「RSトルクスプリッター」は、コーナリング時にリアの外側により多くのトルクを配分することでコーナリングを容易にし、アンダーステアを解消。一方、直進時には左右ホイールに均等にトルクを配分する。巡航時はリアの2つのクラッチを開放し、前輪のみを駆動することで燃料消費を抑えることも可能だ。

このRSトルクスプリッターに対応すべく、車両の特性を変更するアウディドライブセレクトには、従来のコンフォート、オート、ダイナミック、インディビジュアル、エフィシェンシーに加えて、「RSトルク リア」と「RSパフォーマンス」が追加されている。前者はリアに配分されるトルクをリア外輪に100%振り分けることでドリフト走行を容易にするもの。一方、後者は、セミスリックタイヤでサーキットを走行するのに適したモード。RSトルクスプリッターがアンダーステアやオーバーステアを最小限に抑えることでスポーティーな走りを実現。ニュルブルクリンク北コースのラップタイムは、コンパクトクラス最速の7分40秒748をマークしている(2021年9月11日現在)。

サスペンションはスポーティーなセッティングの「RSスポーツサスペンション」を標準装着。オプションで、可変ダンパーを搭載する「RSダンピングコントロールサスペンション」を選ぶことも可能だ。

デザインでもRS 3シリーズはその存在をアピールする。フロントでは、光沢ブラックのハニカムグリルを備えたシングルフレームグリルとワイドなRSバンパーを採用。サイドは大きく張り出したフェンダーとブラックのロワサイドシル、そして、フロントフェンダー後方に設けられたエアアウトレットがアクセントとなる。フロントのトレッドは従来よりも約30mm拡大。スポーツバックではリアも10mm拡大されている。リアまわりは、2つの楕円(だえん)型テールパイプとRS専用リアバンパーが力強さを印象づける。

インテリアは、専用画面を備えた「アウディ バーチャルコックピット プラス」を採用。マニュアルモードで作動するシフトインジケーターは、回転を上げるにつれてグリーン、イエロー、レッドと色が変わり、シフトタイミングを知らせる。ダッシュボード中央のタッチディスプレイには、クーラントやオイルの温度、Gメーターなどが表示される画面が用意される。「RSスポーツマルチファンクションレザーステアリング」には、モード切り替えが可能なRSモードボタンが配置される。

価格はRS 3スポーツバックが799万円で、RS 3セダンが818万円。いずれも右ハンドル仕様になる。アウディ ジャパンのマティアス・シェーパース社長は、RSモデルのなかでも最多販売車両のこのクルマを“RSモデルの来年の主役”と位置づけ、2022年だけで800台程度の販売を見込んでいるという。

なお、アウディ ジャパンでは新型RS 3の導入を記念して、50台の「RS 3スポーツバック ファーストエディション」をオンラインで予約販売する。RS 3スポーツバックをベースに、マトリクスLEDヘッドライト、ブラックスタイリングパッケージ、ハニカムステッチが施されるファインナッパレザーシート、Bang & Olufsen 3Dサウンドシステム、RSダンピングコントロールサスペンション、RSスポーツエキゾーストシステムなどが装着される。ボディーカラーは、カタログモデルには設定されない「ケモラグレーメタリック」となる。こちらの価格は907万円。オンライン限定予約は2021年11月27日の15時から同年12月13日の10時まで行われ、抽選により予約の権利が付与される。最初の抽選は12月15日に行われる。

(文と写真=生方 聡)

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