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アウディRS e-tron GT(4WD)/キャデラック・エスカレード プラチナム(4WD/10AT)/キャデラックCT5スポーツ(4WD/10AT)

これからのブランドの話をしよう 2022.02.27 JAIA輸入車試乗会2022 JAIA輸入車試乗会に集結したあまたのインポートカーのなかから、webCGほったは「アウディRS e-tron GT」とキャデラックの「エスカレード」「CT5」をチョイス。気ままに選んだ3台の試乗を通し、“ブランド”というものの未来について(柄にもなく)考えてみた。

僕らのミライへ逆回転
アウディRS e-tron GT……1799万円(その1)

読者諸兄姉の皆さまは、電気自動車がお好きですか? 記者は大好きである。ホントに環境にいいか、ホントに普及するかは正直なところワカリマセンが、ことプロダクトそのものについては、記者は誠にEVラブ。夢がありませんか? かつてSFマンガに出てきた未来の乗り物というだけで、運転していてココロ躍りませんか?

しかし同時に、記者は思うのである。マンガに出てきた未来のクルマって、今ちまたを行くEVどもより、いささかスマートじゃございませんでした? もっとシュッとして、ハンサムなEVはないものかよ?

そこで「アウディe-tron GT」なわけよ。見よ! この「J1」プラットフォームがかなえる低く優雅なスタイリング。まるで往年の「ローバーSD1」の再来ではないか! なんて言ったら、アウディさんは「不吉なこと言うな!」って顔をしかめそうだけど、記者的には最高のホメ言葉なのでご容赦ください。とにもかくにも、このカタチだけで世のブルジョアジーはクレカを取り出しちゃうのであろう。やれ「伝統が~」とか「こだわりが~」とか、そんなゴタクはどうでもいい。見た瞬間に鑑賞者を平伏させるモノこそが本物だ。

ライドフィールも見た目にたがわずハンサム&スマート。乗り心地は重厚なのにハンドリングは軽快で、鼻先に重り(=エンジン)がないEVゆえか、舵を切るとミドシップ車のように抵抗感なく回頭する。無論パワーは文句なしで(システム最高出力646PSの怪物なんだから当たり前だ)、西湘バイパス・大磯港入り口(下り)の登坂でも、アクセルを踏めば即座に加速。ドライブモードを一番エコな「Efficency」にしても、日本の道路事情ではおつりがくるほどの膂力(りょりょく)である。

とはいえである。このクルマが本領を発揮するのは「Dynamic」を選んだときだ。このモードではアクセルのツキがよくなり、回生ブレーキが強くなり、ついでに音が不穏になる。名前にたがわず、まさに「EVならではのダイナミックなレスポンスを味わうなら、モードはコレ一択」という調律だった。

 
輸入車チョイ乗りリポート 第3回:ドイツの先進・アメリカの神髄の画像拡大
 
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僕らのミライへ逆回転
アウディRS e-tron GT……1799万円(その2)

……ここで「ん、音? EVなのに?」と思ったアナタ、ナナメ読みしないでちゃんと読んでくれていますね(笑)。そうなのだ。昨今のハイパフォーマンスEVのご多分に漏れず、e-tron GTにはサウンドジェネレーター=疑似走行音発生装置が付いているのだ。サウンドプロファイルは3段階で、モードによってはアクセルオンで「グオオオオ~!」、ブレーキングで「ひゅーん!」と、盛大なEVサウンドを奏でる。面白いのがアクセルを深く踏み込んだときで、なにやら内燃機関で慣れ親しんだ、エキゾーストノートのような音が。ついでにDレンジで停車していると、モーターは止まっているのに「モ~……」とほのかな音を立ててアイドリング感を演出する。いやいや、アナタEVでしょう!

かつて馬車から自動車へとモビリティーの主体が移行していた頃、「馬がいないと落ち着かない」と感じたオーナーは、自身のクルマに馬の頭(もちろんハリボテ)を付けて走っていたそうな。思うにEVの疑似サウンドは、21世紀版“馬の頭”。今の私たちは、当時と同じようにモビリティーの変革期に立ち会い、マインドチェンジに迫られているのだなあと感慨にふけった次第である。

そしてもうひとつ思ったのが、電動車の御代には、今まで以上にクルマは電制で万能マシンと化すということだ。遠方に「ボタンひとつでロールスにもフェラーリにもなりまっせ」という未来が見えつつある時代に、世のプレミアムブランドは何を自分たちのご本尊とし、自身の製品にどんな“しばり”を設けるのか。ちょっと興味が湧いた。

【スペック】
全長×全幅×全高=4990×1965×1395mm/ホイールベース=2900mm/車重=2320kg/駆動方式=4WD/フロントモーター=永久磁石同期式電動モーター(最高出力:238PS、最大トルク:--N・m)/リアモーター=永久磁石同期式電動モーター(最高出力:455PS、最大トルク:--N・m)/燃費=200Wh/km/価格=1799万円

 
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四十にして惑わず、五十にして天命を知る
キャデラック・エスカレード プラチナム……1555万円

かようにして「プレミアムブランドの自己定義」に話がおよんだところで、次のクルマに乗り換える。今度のお相手はキャデラック・エスカレード。先進のEVから一転して、フルサイズSUVのカタチをした古典的ゴージャス&ラグジュアリーの権化である。このクルマに触れて記者がいつも感服するのは、自身の定義に一切迷いがないこと。今も昔もエスカはエスカで、そのスタンスは過去最大の変革を経た新型でも(詳しくはこちら)みじんもブレがない。

佐野氏渡辺氏も触れているので、デカさについては今更語るまい。全長5.4mというこのガタイだけで、世のブルジョアはクレカを以下略。そんなことより記者が紹介したいのは、いいクルマ/わるいクルマという物差しを超越した伝統と価値観、そして特濃牛乳もかくやという濃ゆい運転感覚である。進化を拒んでいるわけではない。この新型が過去のエスカとは一線を画すフットワークの持ち主なのは、八ヶ岳のワインディングで体験済み。今回の試乗でも、大磯港出口の狭い切り返しで見せたスムーズな身のこなしに、リア独立懸架のありがたみを痛感した。

しかし同時に、エスカレードは決して己を見失わない。“アメリカの至宝”6.2リッターV8 OHVの威風堂々っぷりは最たるもので、スタートスイッチを押せば大げさなクランキングの後に「ズワーン!」である。走りだしても、アクセルを操るたびに「グオー」「ズワー」と低くほえ、遮音の効いた静かな車内には、常にその後光が差す。トヨタの「ランドクルーザー」ですらエンジンの存在を嫌うクルマとなった今、このありがたみたるや、涙が出る。

ライドフィールにしてもそうで、ときに、ごとん、ぼよよんとする乗り心地も、伝統に裏打ちされたひとつの愛嬌(あいきょう)。アメ車的、クロカン的旅情をかき立てる程よいスパイスだ。加えて、超重量級のボディーと強靱(きょうじん)なラダーフレームが醸す“頼りがい”が、他のクルマでは到底得られぬ守られ感と安心感を、乗員にサーブするのである。

GMは、将来的に自社製品を全量EVにすると表明しており、その計画が実現すれば、いずれはエスカレードもエレキで動くようになるのだろう。が、おそらくその時代になっても、このクルマは自らに期待されるものを見失わないはずだ。世の流れに右往左往する迷える子羊たちよ。エスカレードに乗れ。エスカレードに学べ。

最後にもうひとつ。36基のスピーカー(!)からなるAKGのサウンドシステムですが、マジで最高でした。不覚にも藤原基央の『話をしようよ』を流した記者は、大磯プリンスの駐車場で、ひとり滂沱(ぼうだ)の涙と鼻水を禁じえなかった。この音だけで、世のブルジョアはクレカを以下略。

【スペック】
全長×全幅×全高=5400×2065×1930mm/ホイールベース=3060mm/車重=2740kg/駆動方式=4WD/エンジン=6.2リッターV8 OHV 16バルブ(最高出力:416PS/5800rpm、624N・m/4000rpm)/トランスミッション=10AT/燃費=--km/リッター/価格=1555万円

 
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そういうオッサンに私はなりたい
キャデラックCT5スポーツ……639万円

濃厚かつ示唆に富んだエスカレードの試乗を終え、次なるクルマへと乗り換える。今回のJAIAで最後に乗ったのは、同じキャデラックのEセグメントセダン、CT5だった。公平性が求められる自動車メディアの編集部員が、こんなこと言っちゃだめなんでしょうけど、いま一番好きなセダンなのよ。愛をぶちまけたかったのさ。

といっても、レクサスやドイツ御三家のクルマと比べて、何か特別なところがあるわけではない。電動化やデジタル化で先を行っているわけでもなければ、シャシーに特別なギミックが付いているわけでもない。デザインに見る主張も控えめで、「この怪獣のようなフロントグリルが」とか「シンプル・イズ・ベスト。プレスラインなぞ許さん」といった分かりやすいポイントはない。でも、切れ長の目元が涼しいフロントマスクはハンサムだし、クーペライクなフォルムもなかなかに端正でしょ?

走ってみてもそんな感じで、CT5は成熟の進んだ「アルファアーキテクチャー」のよさだけを武器に、「ちょっとスポーティーなセダン」の魅力を追求している。コーナリングはロール小さめ、ハンドリングもリニアだけれど、作為的なほど身のこなしがシャープというわけではない。ボディーも「剛性感のカタマリ」という感じではないが、高速の目次段差をドムドムといなし、十二分にたくましい。

パワートレイン/ドライブトレインも控えめながら良作だ。最高出力240PSのエンジンは車重1760kgのクルマを文句なしに速く走らせ、賢い10段ATは80km/hでもトップに入り、100km/h巡行時のエンジン回転数を1300-1400pmあたりに抑える(過去の取材で経験済み)。ブレーキのタッチは自然で、踏み始めで“ヘコ”っと利いたり、途中で重さが変わったりしてドライバーの神経を逆なでしない。つくづくCT5は、シャシーのいいFRセダン(「スポーツ」グレードは四駆だけど)という潔い存在で、だからこそ好もしく思うのである。

それでも、未熟な記者が「ドライブモードでもう少し変化があれば」とか「ブリッパーとか、もうちょっと演出があっても」なんて余計な色気を欲してしまうのは、やはり試乗車がスポーツだからだろう。後輪駆動で、穏当な18インチタイヤを装着する「プラチナム」はもう上善如水という感じで、記者は実は、そっちのほうが好みだった。カタチはスポーツのほうが好きなんだけど。

GM(や日本仕様を仕立てたGMジャパン)がそれを意図したわけではないだろうけど、新車のプレスリリースが厚くなり、それに比例してお値段もうなぎ上りな昨今の高級車市場にあって、CT5はエスカレードと並んで示唆に富んだ存在だと思う。ブルジョアじゃないから無理だけど、自分に必要なものを吟味した結果として、こういうクルマにクレカを出せるオッサンに私はなりたい。

【スペック】
全長×全幅×全高=4925×1895×1445mm/ホイールベース=2935mm/車重=1760kg/駆動方式=4WD/エンジン=2リッター直4 DOHC 16バルブ ターボ(最高出力:240PS/5000rpm、350N・m/1500-4000rpm)/トランスミッション=10AT/燃費=--km/リッター/価格=639万円

(文=webCGほった/写真=田村 弥、峰 昌宏/編集=堀田剛資)

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