マセラティMC20(後編)

2022.04.21 谷口信輝の新車試乗 長い歴史を持つマセラティが久々に世に送り出した、ミドシップの高性能スポーツカー「MC20」。あまたのスーパースポーツを試してきたレーシングドライバー谷口信輝は、その走りをどう評価する?

純粋に楽しい!

谷口信輝がマセラティMC20を操るのは今回が初めてではない。ごく短時間ながら、都内で走らせたことが以前あったそうだ。そのときの印象を、谷口は次のように語る。
「街なかで乗ったときは、別に足まわりがフワフワ、ホワホワとしているわけじゃなくて、やっぱりスポーツカーらしい硬さが感じられました。ただし、スポーツカー好きだったら、全然我慢できる程度の硬さです。それで、このクルマで山道を走ったらきっと楽しいだろうなあと期待していたんです」

では、実際にMC20でワインディングロードを走ってみて、谷口はどんなふうに感じたのだろうか?
「あのとき抱いた期待感は、全然裏切られませんでした。コーナリングが軽快で、すごく楽しい。別にものすごくフラットな姿勢を保ってくれるわけじゃないし、絶対的な安心感が得られるわけでもないんですけど、なんか楽しいんですよね。それは、スポーツカーに乗っている、自分でコントロールしているっていう実感がすごく強いからだと思います。コーナリングで限界に近づいたとき、すぐにシステムが介入してくる過保護なタイプじゃないし。まあ、だからこそ運転手に任されているという印象が強いんでしょうね」

スポーツカーのコーナリングについて語るとき、谷口は「いつ裏切られるかわからない」タイプと「絶対に裏切らない」タイプの2種類に分類する傾向があるが、その観点で言うと、MC20はどちらのタイプになるのだろうか?
「裏切る、裏切らないで言えば、そんなに不安感はないので、裏切らないタイプでしょうね。エンジンを後ろに積んでいるわりには、大きな慣性モーメントでリアがどこかに飛んでいっちゃうという感じはあまりしません。そういう意味ではよくできていると思いますよ。硬めの足まわりが、路面の不整をわりと正直に拾う傾向はあるけれど、おかげでステアリングなどから伝わってくるインフォメーションの量はすごい。それに、余計な振動とかノイズとかもあえて消していないから、ものすごい刺激を感じますよね。そういう意味ではロータスに近くて、クルマを操っているという緊張感はかなり強め。でも、それがまた楽しいし、心地いいともいえます。いまもMC20に乗っていて、(試乗のベースとなっている駐車場に)なかなか戻ってこなかったじゃないですか。それはやっぱり、このクルマが楽しいからなんですよね」

 
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