アウディRS e-tron GT(前編)

2022.04.28 谷口信輝の新車試乗 自他ともに認める電気自動車(EV)好きのレーシングドライバー谷口信輝。アウディのフラッグシップEVと位置づけられる「RS e-tron GT」にワインディングロードで試乗した印象は?

最高のレスポンス

「うぉぉぉおおお。これは、浜松町を出発したときの感じですね」

アウディRS e-tron GTでいつものワインディングロードを走り始めて間もなく、われらが谷口信輝はそんな言葉を口にした。いったい、どういう意味なのだろう?
「なんか、シュイーーンと動き出す感じが、まるでモノレールみたいだったので……」

なんと、谷口は浜松町と羽田空港を結ぶモノレールの印象を、このRS e-tron GTに重ね合わせていたようである。
「いやあ、やっぱり僕にとって電気で走るクルマは最高です。アクセルペダルを踏んだとき、欲しいパワーがすぐさま手に入るって、本当に最高じゃないですか。しかも、EVにはギアボックスがないから、途中で変速することなく滑らかに加速し続けていく。僕にとってはまさに理想のクルマです」

「e-tron GT」とRS e-tron GTについて詳しい読者であれば先刻ご承知のとおり、「ポルシェ・タイカン」と同じアーキテクチャーを用いるこのEVは、リアモーターにギアボックスが組み込まれている。ダイナミックモードでは100km/hに届く手前あたりで1速から2速に変速するが、その間もフロントモーターがパワーを発生し続けていることもあって、変速したことはほとんど感じられないし、ダイナミックモード以外ではそもそも2速発進となるので変速ショックなど起こるべくもない。したがって、谷口の評価は基本的に正しいといえるだろう。

いっぽうで、谷口がRS e-tron GTを加速させるたびに、キャビンにはウィーンという軽いサウンドが響いた。しかも、ダイナミックモードに切り替えると音量が大きくなるとともに音色がより重層的になり、映画に出てくる宇宙船のような電子音はさらにはっきりと耳に届くようになった。

「なんで室内で音を出すんでしょうね」と谷口。
「もともと静かなはずのEVなのに、これじゃあウルサイですよ」

 
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