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第687回:走りと質感がステキな(ほぼ)5ナンバーサイズ車5選

2022.05.23 エディターから一言 玉川 ニコ
「走りと質感がステキな(ほぼ)5ナンバーサイズ車」を5モデル紹介。今回はもはや希少な存在となった「新車で買える(ほぼ)5ナンバーサイズ車」に絞ってみた。
「走りと質感がステキな(ほぼ)5ナンバーサイズ車」を5モデル紹介。今回はもはや希少な存在となった「新車で買える(ほぼ)5ナンバーサイズ車」に絞ってみた。拡大

今のクルマは大きすぎるとお嘆きのカーマニアは多いはず。かくいう筆者もそのひとりだ。そこで今回は、カーマニアも納得の魅力を有すると思われる(ほぼ)5ナンバーサイズ車をピックアップしてみた。だが、その結果には、自分で選んでいながら大いに驚くこととなった。

いわゆる5ナンバーのナンバープレート見本。写真は2022年4月18日から交付が開始された「全国版図柄入りナンバープレート」で、交付料金に加えて1000円以上の寄付をすると、フルカラー版の図柄入りナンバープレートが選択できる。
いわゆる5ナンバーのナンバープレート見本。写真は2022年4月18日から交付が開始された「全国版図柄入りナンバープレート」で、交付料金に加えて1000円以上の寄付をすると、フルカラー版の図柄入りナンバープレートが選択できる。拡大
5ナンバーの分類要件は、ボディーサイズとエンジン排気量のふたつ。全長が4700mm以下、全幅が1700mm以下、全高が2000mm以下で排気量が2000cc以下の車両が5ナンバー車で、これら要件のいずれかひとつでも超えると3ナンバー車となる。写真は「日産ノートX FOUR」の走行シーン。
5ナンバーの分類要件は、ボディーサイズとエンジン排気量のふたつ。全長が4700mm以下、全幅が1700mm以下、全高が2000mm以下で排気量が2000cc以下の車両が5ナンバー車で、これら要件のいずれかひとつでも超えると3ナンバー車となる。写真は「日産ノートX FOUR」の走行シーン。拡大
コンパクトなボディーサイズならではの取り回しの良さや、日本の道路事情にマッチするなどで一定の支持を集めている5ナンバー車。新車のラインナップは減少傾向にあるが、国土交通省が発表した「数字で見る自動車2021」によれば、2020年3月末時点における普通車(3ナンバー車)の国内保有台数は1961万5000台、小型車(5ナンバー車)は同1966万5000台となっている。写真は「マツダ2 XD」の走行シーン。
コンパクトなボディーサイズならではの取り回しの良さや、日本の道路事情にマッチするなどで一定の支持を集めている5ナンバー車。新車のラインナップは減少傾向にあるが、国土交通省が発表した「数字で見る自動車2021」によれば、2020年3月末時点における普通車(3ナンバー車)の国内保有台数は1961万5000台、小型車(5ナンバー車)は同1966万5000台となっている。写真は「マツダ2 XD」の走行シーン。拡大

住宅街における真のドライビングプレジャーとは?

いきなりの私事で恐縮だが、つい先ごろ自宅兼事務所の引っ越しを行った。新居(といっても中古のあばらや)がある場所は、東京23区内であるにもかかわらず豊かな自然に囲まれており、環境という面では大いに満足している。だが自然豊かな場所であるだけに、近隣の道路も昔風というか、端的に言ってしまえば「細くて狭くて非常に走りづらい」といったニュアンスなのだ。

これまで、全幅1795mmの愛車「スバル・レヴォーグ」に乗っていて「車幅が広いから走りづらい」と感じたことは一度もなかったのだが、新居に移ってからは「5ナンバーサイズ車への買い替え欲」に取りつかれている。ヤマト運輸さんのトラックや電柱などをスイスイかわせることこそが、21世紀の住宅街における真のドライビングプレジャーなのではないか……と(勝手に)思うに至ったのだ。

とはいえ「車幅が狭いクルマなら何でもいい」というわけでは決してない。「5ナンバーサイズであり、なおかつ、筆者のようなカーマニア(?)をうならせるだけの走行性能と質感を持ち合わせた一台」こそが今、私に求められているのだ。

ということで、極めて個人的な事情に基づく話で恐縮ではあるが、類似のことを考えている方も少なくなかろうという読みのもと、「走りと質感がステキな(ほぼ)5ナンバーサイズ車」を5モデル挙げてみることにしよう。

なお、中古車までを候補に入れるとキリがなくなってしまうため、今や希少な「新車で買える(ほぼ)5ナンバーサイズ車」に絞ったうえで話を進めることとする。

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日産ノート オーラ
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「ノート オーラ」の全幅は1735mmで3ナンバーサイズとなるが、5ナンバー車の「ノート」よりもおしゃれな内外装と安定感の高い走りがカーマニアの琴線に触れそう……ということで選出した。前輪用モーターが最高出力136PS、最大トルク300N・mを、後輪用モーター(4WD車)が最高出力68PS、最大トルク100N・mを発生する電動パワートレイン「e-POWER」を搭載。
「ノート オーラ」の全幅は1735mmで3ナンバーサイズとなるが、5ナンバー車の「ノート」よりもおしゃれな内外装と安定感の高い走りがカーマニアの琴線に触れそう……ということで選出した。前輪用モーターが最高出力136PS、最大トルク300N・mを、後輪用モーター(4WD車)が最高出力68PS、最大トルク100N・mを発生する電動パワートレイン「e-POWER」を搭載。拡大
木目調パネルやツイード調の織物を用いて、高級感を演出したという「ノート オーラ」のインテリア。センターディスプレイと連続する大型メーターパネルの採用や、徹底した遮音対策なども同車の特徴となる。
木目調パネルやツイード調の織物を用いて、高級感を演出したという「ノート オーラ」のインテリア。センターディスプレイと連続する大型メーターパネルの採用や、徹底した遮音対策なども同車の特徴となる。拡大

その1:日産ノート オーラ

「お前は何を言っているんだ?」とお思いの方もいらっしゃろう。なぜならば、そう「日産ノート オーラ」は5ナンバーサイズ車ではないからだ。具体的には、全長4045mmと全高1525mmというのはまぁいいとして、ノート オーラの全幅は1735mmである。

それゆえ「なぜオーラのほうを挙げるんだ? 素直に全幅1695mmの『ノート』を挙げとけや!」というご批判もあろうことは重々承知している。

しかし……ノートとノート オーラの間には「微妙なれどデカい違い」があるゆえに、ここはひとつ「ノートじゃなくてオーラ!」ということでお許しいただきたいのだ。

リアフェンダーが微妙にふくよかであることによる、全体的なフォルムの落ち着きと色香。トレッドが20mm広いことによる、スタビリティーの良さや後輪のバタつき感のなさ。そしてインテリア各部の、ノートを明らかに上回る質感……等々から考えると、「やはりここはノートじゃなくてオーラで!」としか思えないのである。

全幅1735mの3ナンバー車である日産ノート オーラだが、そのおしゃれっぷりとクラスレスな走りがあれば、40mmぶんのストレスなど確実に相殺できるだろう。

スズキ・スイフト
スズキ・スイフト拡大
4代目にあたる「スズキ・スイフト」の現行モデルは2017年1月に登場。軽量・高剛性の新世代プラットフォーム「HEARTECT(ハーテクト)」が採用されている。最高出力91PSの1.2リッター直4自然吸気エンジンに加え、同エンジンにモーターアシスト機構を組み合わせたマイルドハイブリッドシステムや電動走行も可能なフルハイブリッドシステムを搭載したモデルもラインナップする。
4代目にあたる「スズキ・スイフト」の現行モデルは2017年1月に登場。軽量・高剛性の新世代プラットフォーム「HEARTECT(ハーテクト)」が採用されている。最高出力91PSの1.2リッター直4自然吸気エンジンに加え、同エンジンにモーターアシスト機構を組み合わせたマイルドハイブリッドシステムや電動走行も可能なフルハイブリッドシステムを搭載したモデルもラインナップする。拡大

その2:スズキ・スイフト

一部では「在日ヨーロピアンコンパクト」とも呼ばれている「スズキ・スイフト」でも、筆者は大いに満足できるはずだ。適度にけれん味のある内外装デザインと、どこかちょっと昔のフランス車っぽい乗り味は、「中古欧州車マニア→本格スバリスト(見習い)」というクルマ好き人生をたどった筆者にはピタリとハマることが予想される。

また小ぶりとはいえハッチバックなので、後ろに人が乗るとき以外はリアシートを倒しておけば荷物もたっぷり積めて、おおむねレヴォーグと同様の使い方もできるはず。

グレード的にはフルハイブリッドの「ハイブリッドSZ」にするか、それともエンスーらしく「RS」の5段MTでキメるかは悩むところだが、乗り心地重視でいくならやはりハイブリッドSZが有力候補である。

スズキ・スイフトスポーツ
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最高出力140PSの1.4リッター直4ターボエンジンを搭載する「スズキ・スイフトスポーツ」。Dシェイプのステアリングホイールを標準で装備するほか、ナビゲーションパネルやエアコンの操作パネルが運転席側に5度傾けて配置されるなど、コックピットはスポーティーな印象に仕上げられている。
最高出力140PSの1.4リッター直4ターボエンジンを搭載する「スズキ・スイフトスポーツ」。Dシェイプのステアリングホイールを標準で装備するほか、ナビゲーションパネルやエアコンの操作パネルが運転席側に5度傾けて配置されるなど、コックピットはスポーティーな印象に仕上げられている。拡大

その3:スズキ・スイフトスポーツ

これまた日産ノート オーラと同じく全幅1735mmの3ナンバーサイズ車なのだが、最高出力140PSのK14C型1.4リッター直4ターボエンジンを6段MTで操るのはあまりにも快感であり、1t切りの車重970kgでありながら鬼のように剛性感が高いボディーにも、思わずほれぼれする。

3ナンバーサイズではあるが、ここはひとつ「名誉5ナンバー車」として候補に入れるほかあるまい。

スズキ・ソリオ バンディット
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「スズキ・ソリオ バンディット」のボディーサイズは全長×全幅×全高=3790×1645×1745mm、ホイールベースは2480mm。最高出力91PS、最大トルク118N・mの1.2リッター直4エンジンに同3.1PS、同50N・mのISG(モーター機能付き発電機)と専用リチウムイオンバッテリー、CVTを組み合わせたマイルドハイブリッド車のみのラインナップとなる。
「スズキ・ソリオ バンディット」のボディーサイズは全長×全幅×全高=3790×1645×1745mm、ホイールベースは2480mm。最高出力91PS、最大トルク118N・mの1.2リッター直4エンジンに同3.1PS、同50N・mのISG(モーター機能付き発電機)と専用リチウムイオンバッテリー、CVTを組み合わせたマイルドハイブリッド車のみのラインナップとなる。拡大
「ソリオ バンディット」(2WD車)のインテリア。従来モデルよりも荷室床面長を100mm拡大。積載物に合わせ多彩なシートアレンジが行えるのも自慢だ。予約ロック機能を追加したパワースライドドアやスズキの小型車では初採用となるスリムサーキュレーターも用意されている。
「ソリオ バンディット」(2WD車)のインテリア。従来モデルよりも荷室床面長を100mm拡大。積載物に合わせ多彩なシートアレンジが行えるのも自慢だ。予約ロック機能を追加したパワースライドドアやスズキの小型車では初採用となるスリムサーキュレーターも用意されている。拡大

その4:スズキ・ソリオ バンディット

とはいえノート オーラやスイフトなどのBセグハッチバック車では車内スペースが手狭すぎると感じられる局面も、人生においてはあるはず。

そんなときには「箱型のクルマ」を買うのが一番なわけだが、あいにく箱型のクルマにはカーマニアをうならせるモデルがあまりない──のだが、スズキの「ソリオ」は別だ。現行型のソリオであれば、「走る喜び」と「積む楽しみ」とを相当高い次元で両立できることを、webCGをお読みの各位であればよくご存じだろう。

だが素のソリオだとビジュアルおよび雰囲気が──申し訳ないが──けっこう所帯じみているという点に、個人的には抵抗を覚える。

が、ソリオのいわゆるカスタム系に相当する「バンディット」であれば、所帯じみたニュアンスはかなり軽減される。

そして、この手のクルマのカスタムというのは一般的にマイルドヤンキー臭が強いのが、まぁ難点といえば難点なのだが、現行型のソリオ バンディットは、ホンダの「N-WGNカスタム」と並んで「マイルドヤンキーっぽくないカスタム」の2大巨頭。よくわからないが代官山あたりの超絶しゃれたヘアサロンに乗りつけても、おそらくは違和感なしであろう。

 
スズキ・ジムニーシエラ
スズキ・ジムニーシエラ拡大
「スズキ・ジムニーシエラ」のボディーサイズは全長×全幅×全高=3550×1645×1730mm、ホイールベースは2250mm。オフローダーとして注目される最低地上高は210mmとなる。パワーユニットは新開発された自然吸気の1.5リッター直4で、最高出力100PS/6000rpm、最大トルク130N・m/4000rpmを発生。
「スズキ・ジムニーシエラ」のボディーサイズは全長×全幅×全高=3550×1645×1730mm、ホイールベースは2250mm。オフローダーとして注目される最低地上高は210mmとなる。パワーユニットは新開発された自然吸気の1.5リッター直4で、最高出力100PS/6000rpm、最大トルク130N・m/4000rpmを発生。拡大
道具感を表現したというインテリアデザインも「ジムニーシエラ」の特徴。トランスミッションは5段MTまたは4段ATが選択でき、2H(2WD-FR)、4H(4WD高速)、4L(4WD低速)の切り替えが可能な副変速機付きパートタイム4WD方式を採用する。
道具感を表現したというインテリアデザインも「ジムニーシエラ」の特徴。トランスミッションは5段MTまたは4段ATが選択でき、2H(2WD-FR)、4H(4WD高速)、4L(4WD低速)の切り替えが可能な副変速機付きパートタイム4WD方式を採用する。拡大
室内スペースはヘッドルーム、ショルダールームともに先代より拡大。フロントシートにはシートヒーターが内蔵され、リアシートはヘッドレスト付きの左右分割可倒式となっている。荷室容量は352リッター。
室内スペースはヘッドルーム、ショルダールームともに先代より拡大。フロントシートにはシートヒーターが内蔵され、リアシートはヘッドレスト付きの左右分割可倒式となっている。荷室容量は352リッター。拡大

その5:スズキ・ジムニーシエラ

言わずと知れた「ジムニー」の登録車版である。1.5リッター直4自然吸気エンジンは少々眠く、燃費もさほどよろしくはない。だが「ジムニーシエラ」のこの素晴らしいビジュアルがあれば、たぶん私はすべてを許せるだろう。

まぁ軽のジムニーでも全然OKなのだが、オフロードを本籍地とするラダーフレーム車であるジムニーは、舗装路での乗り心地は決して良好ではない(現行型はそんなに悪くはないですが)。

しかしトレッドをガバっと拡大したジムニーシエラのほうは、高速道路などでの乗り心地もまずまず快適。コンクリートジャングルという名の荒野を行く筆者(←要は出無精のインドア派)の毎日を、全幅1645mmのボディーでもって素晴らしく盛り上げてくれるだろう。ううむ、本当に欲しい一台である。ボディーカラーは「ミディアムグレー」が好きです!

ピックアップした車両のうち4台がスズキではあるが、それは偶然。決して狙ったものではなく、私はスズキの回し者でもない。あくまでもカーマニアが納得できる「走りと質感がステキな(ほぼ)5ナンバーサイズ」というフィルターを通してみた結果にすぎない。

となれば、クルマのサイズがどんどん大きくなる現代にあって、スズキのクルマづくりは注目に値するのではないかとあらためて思う。

(文=玉川ニコ/写真=花村英典、日産自動車、スズキ/編集=櫻井健一)

玉川 ニコ

玉川 ニコ

自動車ライター。外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、自動車出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。愛車は「スバル・レヴォーグSTI Sport EX」。

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