ケータハム・スーパーセブン1600(前編)

2022.06.23 谷口信輝の新車試乗 クラシカルなルックスが強烈な個性を放つ、英国生まれのピュアスポーツカー「スーパーセブン1600」。そのステアリングを握ったレーシングドライバー谷口信輝の第一印象は?

乗り手を選ぶ一台

「ちょっと、このクツだと厳しいかな」

いつものワインディングロードで、ケータハム・スーパーセブン1600のコックピットにおさまった谷口信輝は、最初にそう言い放った。
「左足をめいっぱい左側に寄せておかないと、右足でブレーキペダルを踏んだときに、一緒に自分の左足も踏んじゃいそうになります。だから、シフトダウンするときは、ヒール&トーじゃなくて(右足だけで)ライト&レフトって感じになりますね。以前、試乗したときはレーシングシューズを履いていたから大丈夫だったんですが……」

そう、谷口がスーパーセブンを操るのは、これが2度目。ただし、前回試乗したのは軽自動車規格の「スーパーセブン160」もしくは「170S」だったらしく、エンジンパワーの差は歴然としていたようだ。

「速いですよ、このクルマは」と谷口。
「ボディーよりもエンジンが勝っている感じ。まあ、正直に言ったら、速いよりは怖いという感じですけどね」

その理由を、谷口はこんなふうに説明してくれた。
「例えば最近の日本車は、静かで速くて安全で、便利機能もなにもかもそろっています。それはちょっと過保護でもあるような気もしますが、このスーパーセブンはなにも付いていなくて、まるで自分で組み立てるキットカーみたい。それが『動いたー!』という喜びを味わう気持ちがないと、このクルマは楽しめないかもしれませんね」

あれ、谷口はスーパーセブンの歴史を知っていて、そう言っているのだろうか? 1956年にロータスがスーパーセブンを発表した当時、イギリスでは物品税が高く、これを回避するためにキットカーとして販売されたという歴史がスーパーセブンにはある。ベテランのエンスージアストであれば、かつては日本にもキットカーの状態で輸入されていたことをご記憶だろう。

 
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