これが集大成! 日産が「GT-R」の2024年モデルをお披露目【東京オートサロン2023】

2023.01.13 自動車ニュース webCG 編集部
2024年モデルの「日産GT-RプレミアムエディションT-spec」と、日産自動車のアシュワニ・グプタCOO(写真向かって右)、チーフ・ビークル・エンジニアの川口隆志氏(同左)。
2024年モデルの「日産GT-RプレミアムエディションT-spec」と、日産自動車のアシュワニ・グプタCOO(写真向かって右)、チーフ・ビークル・エンジニアの川口隆志氏(同左)。拡大

日産自動車は2023年1月13日、千葉・幕張メッセで開催中の「東京オートサロン2023」(開催期間:2023年1月15日まで)において、高性能スポーツモデル「GT-R」の2024年モデルを先行公開した。

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◆画像・写真:日産GT-R NISMOスペシャルエディションGT-R NISMOスペシャルエディション/GT-R NISMOスペシャルエディション

「GT-R」について、「技術の日産を象徴するモデル」と語るグプタCOO。
「GT-R」について、「技術の日産を象徴するモデル」と語るグプタCOO。拡大
アンベールされる「GT-R」の2024年モデル。
アンベールされる「GT-R」の2024年モデル。拡大
高性能モデルの「GT-R NISMOスペシャルエディション」。2024年モデルの「GT-R」は、グリルが上下に2分されたフロントマスクが大きな特徴だ。
高性能モデルの「GT-R NISMOスペシャルエディション」。2024年モデルの「GT-R」は、グリルが上下に2分されたフロントマスクが大きな特徴だ。拡大
スワンネック型のステーが採用された「NISMO」仕様のリアウイング。
スワンネック型のステーが採用された「NISMO」仕様のリアウイング。拡大
「NISMO」仕様には、新開発のレカロ製シートが採用された。
「NISMO」仕様には、新開発のレカロ製シートが採用された。拡大
「GT-R NISMOスペシャルエディション」には、ピストンリングやコンロッド、クランクシャフトなどをバランス取りしたエンジンが搭載される。
「GT-R NISMOスペシャルエディション」には、ピストンリングやコンロッド、クランクシャフトなどをバランス取りしたエンジンが搭載される。拡大
スタンダード仕様もエクステリアの各所に改良が加えられており、空力性能の向上が図られている。
スタンダード仕様もエクステリアの各所に改良が加えられており、空力性能の向上が図られている。拡大
スタンダード仕様のリアウイングが改良されるのは、現行型「GT-R」のデビュー以来、今回が初のこととなる。
スタンダード仕様のリアウイングが改良されるのは、現行型「GT-R」のデビュー以来、今回が初のこととなる。拡大
日本仕様についてはマフラーの構造も変更され、厳しさを増す騒音規制に対応した。
日本仕様についてはマフラーの構造も変更され、厳しさを増す騒音規制に対応した。拡大
「GT-R」の2024年モデルの発表・発売は、2023年春を予定。「GT-R NISMO」のみ同年夏の発売予定となっている。
「GT-R」の2024年モデルの発表・発売は、2023年春を予定。「GT-R NISMO」のみ同年夏の発売予定となっている。拡大

2024年モデルは「GT-R」の集大成!

今回、日産が実車を披露したのは、特別仕様車「GT-RプレミアムエディションT-spec」と「GT-R NISMOスペシャルエディション」の2台だ。発表会ではアシュワニ・グプタCOOが登壇し、1995年にR33型、1999年にR34型の「スカイラインGT-R」が東京オートサロンで発表された例を取り上げ、GT-Rを「日本のスポーツカーファンに育ててもらったクルマ」と表して歴史を振り返った。

さらにGT-Rの特徴について、「レーシングテクノロジーが生み出す圧倒的な速さ」と、「どこまでも気持ちよく走り続けられるしなやかなグランドツーリング性能」であると紹介。2024年モデルについては、「日産GT-Rの“極み”、史上最高のGT-Rともいうべき集大成。GT-Rの長い歴史に刻まれるものとなる」と述べた。

空力性能を高めるべくエクステリアの各所を変更

発表会では、GT-Rのチーフ・ビークル・エンジニアを務める川口隆志氏も登壇。2024年モデルの具体的な特徴を説明した。

それによると、2024年モデルのGT-Rは、「人の感性に気持ちよく、それでいて速い」「トータルバランスをもっと高い次元へ」という狙いを掲げて開発。ハイパフォーマンスバージョンのNISMO仕様については、現行型にあたるR35 GT-R史上最高の「トラクションマスター」を目指し、「よりタイヤを接地させる、駆動を極める」ことを追求したという。一方のスタンダード仕様については、R35史上最も洗練された乗り味を目指し、よりしなやかに路面を捉える特性をねらって開発を進めたという。

具体的には、両モデルともにハンドリング性能を高めるべく、フロントバンパーやリアバンパー、リアウイングといった外装のデザインを変更。これにより空力性能の向上、特にダウンフォースの強化を図っている。

フロントまわりでは、グリルを上下に2分割した水平基調のデザインを採用。空気の流入量はそのままにグリルの開口部を小さくすることで、高い冷却効率を保ちながら空気抵抗を下げることに成功したという。またフロントバンパー両端のカナードをより彫りの深い形状とすることでダウンフォースを強化。リアまわりでは、バンパーサイドやトランクリッドのエッジを立たせることで、空気の巻き込みを抑制している。

リアウイングの形状も見直しており、NISMO仕様ではより高いダウンフォースを得られるスワンネック型のステーを採用。スタンダード仕様も2007年のデビュー以来、初めてウイングの形状を変更しており、翼幅を広げて取り付け位置を後ろに下げることで、ダウンフォースを高めるとともにクルマを持ち上げようとする負圧の発生を低減しているという。

マフラーを改良して新しい騒音規制に対応

さらにNISMO仕様では、コーナリング性能をより高めるべくフロントにメカニカルLSDを搭載したほか、これに合わせて4WDシステムの制御も調整。インテリアでは、薄いカーボンフレームに分割式のパッドを張り付けた新設計のレカロ製シートを採用することで、重量増を抑えつつシートの横剛性を50%高めたという。

このほかにも、日本仕様についてはマフラーの構造も変更。排気管の途中に分岐と消音室(レゾネーター)を設けることで低音域のサウンドを消音したほか、ジェットエンジンを参考に排気音をつくり込むことで、年々厳しくなる騒音規制をクリアしつつ従来同等のパフォーマンスと迫力あるサウンドを実現したという。

2024年モデルのGT-Rの発表・発売は、スタンダード仕様については2023年の春、NISMO仕様については同年の夏を予定。川口氏はスピーチの最後に「東京オートサロンの会場に足を運んでいただき、一人でも多くの方に、新しい2024年モデルを見ていただきたい」と述べ、発表を締めくくった。

(webCG)

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