トヨタ・プリウスZ(前編)

2023.03.02 谷口信輝の新車試乗 谷口 信輝 スペシャルティーカーを思わせるデザインで話題の新型「トヨタ・プリウス」。では走りのほうは……? レーシングドライバー谷口信輝に、ワインディングロードで走らせた印象を聞いた。

大径タイヤは意外にいい

「このクルマ、乗り込むときに頭をぶつけるっていろいろな試乗記で指摘されていて、話題になっています」

プリウスの運転席まわりをチェックしている谷口信輝に向かって、取材スタッフはそんな言葉を投げかけた。それを聞いた私は「へー、そんなことが話題になっているんだ……」と軽く驚いたが、谷口も私に近い捉え方のようだった。
「たしかに新型プリウスはAピラーがかなり寝ていますが、このデザインがかっこいいと思って、このクルマを買う人が大多数ですよね。だったら、きっと慣れるんじゃないですか。ジャーナリストの皆さんが『頭をぶつける』と言っているのは、なにかを指摘したいだけのような気がしなくもありません。僕自身、このクルマに何度も乗り降りしたことがありますが、頭が当たったことは一度もありません。それに、人って、なにか障害物がそこにあったら、自然とそれを避けるものだと思います」

谷口は、ジャーナリスト視点ではなくオーナー視点でクルマを捉えている。この辺はさすがだなあと感心させられたところで、運転席に乗り込むと、谷口はいつものワインディングロードを走り始めた。
「ちょっと、小石がパチパチと当たる音が気になりますね」

取材の拠点となる駐車場は路面に小石が浮いているため、これがタイヤで跳ね上げられてパチパチという音を立てていたのだ。
「タイヤハウスの内側に小石が当たっている音ですよね。この辺は、防音というか遮音みたいなことを、もうちょっとやってもよかったかもしれませんね」

とはいえ、駐車場を出てしばらく走ると、このパチパチ音も自然とおさまって、車内は次第に静かになっていった。
「このタイヤ、特別スポーティーなタイプじゃないけれど、偏平率の高い一般的なタイヤと違ってホワンホワンした感じもしないし、コーナリングでタイヤが倒れ込む感じもしません」

ちなみに試乗車は195/50R19の「ヨコハマ・ブルーアースGT」を装着していた。

 
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