トヨタ・プリウスZ(後編)
2023.03.09 谷口信輝の新車試乗 量産ハイブリッド車のパイオニアたる「トヨタ・プリウス」は、フルモデルチェンジでどんなクルマに進化した? 2リッターのFFモデルに試乗した谷口信輝が、その走りについて語る。介入されても不快なし
「ステアリングのレスポンスがいいし、足まわりの性能に余裕があるからコーナリング中にステアリングを切り増してもしっかりと反応してくれる。ボディー剛性も高いし、誰がどう乗っても安全で速いクルマだと思いますよ」
いつものワインディングロードでプリウスを走らせた印象をそう説明した谷口信輝。その好感触に自信を得てペースを上げていったところ、彼自身はブレーキペダルに触れていないのに、ブレーキランプの点灯を知らせる表示がメーターパネル上に現れることに谷口は気づいた。
「僕はなにもしていないのに、エンジンブレーキというか回生ブレーキみたいなのがぐっと立ち上がって減速する感じがするんです」
谷口のこの説明を聞いて、編集部Fが「ああ、きっとそれは『プロアクティブドライビングアシスト(PDA)』ですね」と指摘した。新型「シエンタ」などにも装備されているトヨタのPDAは、クルマになんらかの危険が迫っているとき、クルマ自身が自動的に減速などを行って危険を回避するシステムのこと。プリウスには、一定のペース以上でコーナーに進入しようとすると、PDAが作動してやんわりと減速してくれる機能が追加されたのである。
「ジョギングをしているときは、気持ちよく軽快に走らせてくれるけれど、全力疾走しようとすると、そっと後ろから引っ張られるような感じですね。つまり、タイヤの限界付近でなにか制御するのではなく、そのだいぶ手前からコントロールされているわけです。ただ、その制御の利き方がいやらしくないので、全然いやな感じはしませんよ」
最初は不可解だった「謎の減速」が解明されたところで、あらためて谷口にプリウスの走りを評価してもらった。
「まずは、なんにも不満がないし、とても快適。まあ、快適といっても、プレミアムカーみたいに豪華で静かというわけではないけれど、多くの人が普通に走らせたとき、物足りないと思うことはまずないんじゃないでしょうか」
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