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マセラティ・グレカーレGT(4WD/8AT)/ルノー・キャプチャーE-TECHフルハイブリッド レザーパック(FF/4AT+2AT)/ヒョンデ・アイオニック5ラウンジAWD(4WD)/メルセデス・ベンツEQE350+(RWD)

悩める幸せ 2023.03.02 JAIA輸入車試乗会2023 関 顕也 いま新車で買える輸入車のなかで、「家族みんなが笑顔になれるファミリーカー」を選ぶとしたら? もうすぐ2人目が生まれて4人家族になるwebCG関は、さまざまなクルマが並ぶJAIA(日本自動車輸入組合)の試乗会で、この4台をチョイスした。

気持ちが華やぐSUV
マセラティ・グレカーレGT

現実的に最も大事な予算のことはさておいて、まず「これは!」と思ったのは「グレカーレGT」だ。なにせ、あのマセラティの新型SUVである。クルマに疎い妻は「イタリアの老舗ブランドのクルマで……」と説明すれば陥落必至。全長×全幅×全高=4846×1948×1670mmというボディーサイズは兄貴分の「レヴァンテGT」(同5020×1985×1680mm)よりひとまわり小さく、彼女でもなんとか運転できそう。実際にマセラティは、「奥さまの買い物グルマ」としてのニーズを見込んでいて、女性ユーザー比率は(業界的には極めて高い)25%に達すると考えている。なお、公式のメインターゲットは「子育てファミリー」。それってつまり、わが家のことだ。

ルックスについては、「オトーサン、このクルマかっこいいね!」と家族が喜ぶのは間違いない。実用性はどうか? フロアがスクエア(約100×100cm)で出っ張りのない荷室は使いやすそうだし、車内の空間も余裕たっぷり。身長163cmの小柄な筆者が運転する場合、後席でのひざ前には30cmものゆとりが生まれる。「これならチャイルドシートの扱いもラクそう」と想像したところで、グレカーレが国内で初披露された際(2022年4月)、展示車の後席にわざわざチャイルドシートが付けられていたことを思い出した。

そして、大きなサンルーフと明るいインテリアカラーがもたらす開放感。ステッチングなども凝っていて、この華やぐ感じがイタリア車だなぁ、と思う。

その感覚は、ドライブフィールにも通じている。ステアリングの操舵感をはじめ操作全般が軽やかで、なんだか気持ちが明るくなるのだ。パワフルなエンジンも、その一要素に違いない。2リッター直4ターボと聞くと「なぁんだ」と思われるかもしれないが、ターボに加えて電動タービンで空気を圧送する「eBooster(イーブースター)」を備え、2000rpmで最大トルク450N・mを発生。車重が2t近いにもかかわらず、元気なピックアップをみせてくれる。4000rpmを超えてからの快音も、2リッターの4気筒であることを忘れさせる。

2023年の1年間は1000台を販売し、国内におけるマセラティの販売台数を倍増させる役割をになうグレカーレ。きっとそのもくろみは達成されるだろうけれど、最廉価グレードのGTでも価格はおよそ900万円(896万円)と聞くと、筆者のような庶民は急に現実に戻される。この数字だけは、家族にナイショにしておかなければ……。

【スペック】
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4846×1948×1670mm/ホイールベース:2901mm/車重:1930kg/駆動方式:4WD/エンジン:2リッター直4 SOHC 16バルブ ターボ+スーパーチャージャー(最高出力:300PS/5750rpm、最大トルク:450N・m/2000-4000rpm)/モーター:交流同期電動機(最高出力:13.6PS/3000rpm、最大トルク:54N・m)/トランスミッション:8段AT/燃費:8.7-9.2リッター/100km(約10.8-11.4km/リッター、WLTPモード)/価格:896万円

 
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人気なのにはワケがある
ルノー・キャプチャーE-TECHフルハイブリッド レザーパック

「子育てファミリーのクルマ」を考えるとき、利便性を突き詰めていけば、必ず国産ミニバンに行き当たる。でも乗車定員を5人までと割り切って検討するなら、やっぱり万能型のSUVが魅力的だと思う。

なかでも筆者がここ1年の間に「これは欲しい」と思ったのが、フランス生まれの「ルノー・キャプチャー」。「E-TECHフルハイブリッド」を名乗る、そのハイブリッドバージョンだ。

まず見た目がいい。イヤミのないハンサム顔に、くびれが強調されたサイドビュー。内装だって、スポーティーなデザインのシート(ヒーター付き)やフローティングのセンターコンソールが特別感を醸し出す。計4つのUSBコネクターに加えて、最近省かれてしまうことの多くなったAUX端子が備わるのもうれしい。実際インポーターに聞いてみても「ルックスで選ぶ人が多い」というキャプチャーだが、それが“長く付き合えそうなかたち”でまとまっているのが魅力的だ。

もっとも、この新開発ハイブリッドを搭載するキャプチャーで特筆すべきは「走り」。メイン/サブ2つのモーターにドッグクラッチを組み合わせるなどメカメカしい仕様だけれど、それらの存在・働きは意識させず、とにかくスムーズに運転できる。むっちりと反力のあるステアフィールはルノーそのもの。きびきびとした走りが楽しめるだけに、シフトパドルやシーケンシャルシフトスイッチの類いが付かないのは物足りないけれど、当のルノーにしてみれば、「ネンピ向上にもつながるのだし、ここは機械任せにしてください」ということらしい。その燃費はWLTCモードで22.8km/リッターと、十分満足できるレベルだ。

今やルノーのラインナップのなかで、一番人気となっているキャプチャー。純ガソリンエンジン車とハイブリッド車が選べ、価格の高い後者のほうが(登録台数ベースで)多いというのも納得できる。そのトップグレード「レザーパッケージ」でも404万円、つまり前述の「グレカーレ」の半値以下というのはバーゲンとしか思えない。いまのところ、世の諸問題から注文受け付けを停止しているようだけれど、再開されたら狙いたい一台だ。

【スペック】
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4230×1795×1590mm/ホイールベース:2640mm/車重:1420kg/駆動方式:FF/エンジン:1.6リッター直4 DOHC 16バルブ(最高出力:94PS/5600rpm、最大トルク:148N・m/3600rpm)/メインモーター:交流同期電動機(最高出力:49PS/1677-6000rpm、最大トルク:205N・m/200-1677rpm)/サブモーター:交流同期電動機(最高出力:20PS/2865-1万rpm、最大トルク:50N・m/200-2865rpm)/トランスミッション:4段AT(エンジン用)+2段AT(モーター用)/燃費:22.8km/リッター(WLTCモード)/価格:404万円

 
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驚異のコストパフォーマンス
ヒョンデ・アイオニック5ラウンジAWD

今回JAIAの試乗会に並んだクルマのうち、コスパという点でキャプチャーE-TECHフルハイブリッドに負けず劣らず魅力的なのが、ヒョンデのEV「アイオニック5」だ。

価格は最廉価のRWDモデルで479万円。今回試乗した最上級の4WDモデル「アイオニック5ラウンジAWD」は589万円と、EVにしては手の届きやすい価格ながら、装備は山盛り、つくりは技アリときている。

例えば? センターコンソールが前後に動いて運転席・助手席のウオークスルーができる。その前席はオットマン付きで、充電時や休憩時には、ボタンひとつで“リラックスポジション”がつくり出せる。サンシェードのある後席だって前後スライド機構付き。しかも、前席からも操作可能。上を見上げれば大きなグラスルーフ。もちろん、スマホの非接触充電もあれば外部への給電機能もある。さらに(以下略)……と、すっかり深夜のテレビショッピング状態。「もう、コレに決まりじゃないか」という気になってくる。

直線が際立つ個性的なエクステリアは子どもウケもよくて、街で見かけた際には息子に「あれは、なんてクルマ!?」と聞かれたほど。外観とは対照的にコージーな印象のインテリアは、たいていの女性が「いい感じ(^^)」とほほ笑むだろう。

実用面で言えば、荷室へのホイールハウスの張り出しが気になるけれど、なにせ荷室の最大幅は130cmもあるから(奥行きは実測98cm)、ベビーカーなど大物の積載には困らない。

今回はチョイ乗り程度だったけれど、立派なスペック(システム最大トルクは605N・m!)にも納得の加速力、そして運転中の静かさなど、およそEVに期待される点には不満がない。車線変更の際などウインカーに連動して側方の状況をメーターパネル上に映し出す、なんて技も持っているし、WLTCモードで約580kmという足の長さは頼もしい。

そんなアイオニックは、日本上陸以来コンスタントに注文があって、2022年は500台ほど売れたという。住まいに充電の設備がまかなえれば、わが家も……と素直に思う。

【スペック】
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4635×1890×1645mm/ホイールベース:3000mm/車重:2100kg/駆動方式:4WD/フロントモーター:交流同期電動機(最高出力:--PS、最大トルク:--N・m)/リアモーター:交流同期電動機(最高出力:--PS、最大トルク:--N・m)/システム最高出力:305PS/2800-8600rpm/システム最大トルク:605N・m/0-4000rpm/一充電走行距離:577km(WLTCモード)/交流電力量消費率:142.4Wh/km(WLTCモード)/価格:589万円

 
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あのころに戻れるサルーン
メルセデス・ベンツEQE350+

電動車オンリーのヒョンデに限らず、今や多くのブランドがEVを擁していて、JAIAの試乗車リストを見てもその3割以上をEVが占めている。まさに時代である。

遅かれ早かれ、ファミリーカー選びでEVは無視できなくなってくる。そこで、同じく無視できない奥サマの希望を聞いてみたなら、きっと「ベンツにもイーブイはあるかしら?」となるだろう。ガイシャ=ベンツ、ビーエム、アウディなんだから。車型のイメージは? やっぱりセダン? であれば、EV専用サルーン「EQE」はチェックしておきたい一台だ。

本国ではカンパニーカーとしての引き合いが多いというこのモデル、インポーターによれば、国内では個人の方に選ばれているとか。購入者の多くはEVに対する意識がとても高く、ゆえにエンジン車の「Eクラス」と比べるなんてことはないのだそう。お客さんの側からは、ライバル車の名も聞かれないという。それにはメルセデスのブランド力もあるのだろうが、この独特なデザインは、指名買いの理由のひとつじゃなかろうか。

クーペライクなシルエットから予想されるとおり、キャビンのヘッドルームはそこそこだった。でもホイールベースは3120mmもあるから、身長160cm程度の筆者が前に座ろうものなら後席では余裕で足が組めてしまう。

後席について難を言うなら、小柄な筆者ですら座面(の前後長)が短く感じられて、どうもヒザが落ち着かない。個体差なのかもしれないけれど、走行中、ブルブルと揺すられるのも気になった。またトランクの容量もやや控えめだから、ある程度の割り切りは必要だ。

一方、ドライバーズシートに移って走りだせば、高級車然とした身のこなしや静粛性に「さすがはメルセデス」と感心させられる。ピンクゴールドの装飾と妖しいイルミネーションは、子どもたちには響かないかもしれないけれど、いわゆる所帯じみたファミリーカーとは対極の演出だ。そんなEQEは、2人でドライブに出かけたあのころの気持ちをいつでも取り戻せる、家族持ちのデートカーなのかもしれない。

【スペック】
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4970×1905×1495mm/ホイールベース:3120mm/車重:2390kg/駆動方式:RWD/モーター:交流同期電動機(最高出力:292PS/3559-1万5913rpm、最大トルク:565N・m/0-3559rpm)/一充電走行距離:624km(WLTCモード)/交流電力量消費率:176kWh/km(WLTCモード)/価格:1248万円

(文=webCG 関 顕也/写真=田村 弥、峰 昌宏/編集=関 顕也)

 
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関 顕也

関 顕也

webCG編集。1973年生まれ。2005年の東京モーターショー開催のときにwebCG編集部入り。車歴は「ホンダ・ビート」「ランチア・デルタHFインテグラーレ」「トライアンフ・ボンネビル」などで、子どもができてからは理想のファミリーカーを求めて迷走中。

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