フォード・クーガ タイタニアム(4WD/5AT)【ブリーフテスト】
フォード・クーガ タイタニアム(4WD/5AT) 2010.12.15 試乗記 ……378万円総合評価……★★★★
アメリカ生まれの兄弟達とは、見た目からして大きく異なる欧州フォード製SUV「クーガ」。その走りと乗り心地は、どのようなものなのか?
味、長持ち
フォード車は概して、スタイリングも性格もスッキリさっぱりしていて、わかりやすい。老舗といわれるメーカーにありがちな嫌味やアクの強さとは無縁で、“無印良品”とも形容できる。パッと見て「イイな」と思ってもすぐ飽きてしまうようなクルマとは真逆の、最初はすーっと素通りしてしまいがちだが、接する時間が長くなるほど新たな発見や味わいが出てくるクルマだ。
贅(ぜい)を尽くした豪華さのようなものとは無縁だから、見た目でアピ−ルするのは不利。しかし、その内容はよく考えられたもので、プロ集団が長く豊富な経験を生かして造る、高度な製品である。価格が比較的低いため軽く見られがちだが、見てくれよりも、基本設計の数値やチューニングなどに時間がかけられており、しっかりしたメーカーの価値観が導き出されている。
外観は、コンパクトに見える。実際にハンドルもよく切れて(回転半径は5.8m)、取りまわしもいい。動力性能も活発だ。それでいて室内に入ると広く使える。おおらかさというか、懐の深さも「ク−ガ」の魅力だ。
最近は、壊れずとも飽きからクルマを早期に買い替える人も多い。その点、「フォード・ク−ガ」は飽きずに長く付き合える1台だ。