スバル・フォレスター2.0XS プラチナセレクション/S-EDITION【試乗記】
スバルらしい進化 2010.11.16 試乗記 スバル・フォレスター2.0XS プラチナセレクション(4WD/4AT)/S-EDITION(4WD/5AT)……289万2750円/342万3000円
21年ぶりにリニューアルした真新しい水平対向エンジンを得た「フォレスター」。さて、その走りはどう変わった?
弱点克服への新心臓
スバルのアイデンティティのひとつ、水平対向エンジンが新型になった。「スバル1000」とともに世に出た第1世代、初代「レガシィ」に積まれた第2世代に続く第3世代とのことだ。実に21年ぶりのチェンジなのである。
新エンジンの最大の特徴は、ショートストロークからロングストロークになったことだ。今回登場した2リッター版についていえば、ボア×ストロークは92×75mmから84×90mmになった。
左右に幅広い水平対向エンジンは、駆動輪との干渉を避けるために、ショートストロークにする傾向がある。しかしショートストロークエンジンは低中回転域のトルクを出しにくく、燃費の向上がむずかしい。「スバルは燃費が悪い」という噂には、こうした構造上の理由もあった。
そこでロングストローク化に踏み切ったわけだが、「フォレスター」はマイナーチェンジだから、エンジンルームの拡大はできない。よってスバルは、燃焼室のコンパクト化などを実施し、エンジン全幅を旧型と同等に抑えた。
さらにピストンやコンロッド、オイルポンプを小型軽量化し、AVCSと呼ばれる可変バルブタイミング機構を吸排気両方に装備した。この結果10・15モード燃費は、4段のままのATをもってしてもリッター13.8kmから15.0kmにアップし、このクラスのSUVでトップレベルになった。
これが事実なら、もう燃費のことは言われなくなるだろう。今回は短時間の試乗だったので測定はできなかったけれど、トルクアップを体感できる加速感から、燃費も伸びそうな印象を受けた。