今年は……荒れるぜ!

さて今年、あるジャーナリストはポツリと言いました「今年は……荒れるぜ」と。

なぜなら本命がいそうでいなかったから。今年世間的にバカ売れしたのは相変わらず「トヨタ・プリウス」であり、物議を巻き起こしたのも同車。だけど去年出たクルマだから、COTYの俎上(そじょう)には上らない。というか、社会的には「エコカー減税&補助金」が一番の話題であり、他はあまり記憶に残っていない。

となると正直、どれでもいい。たとえば予選ならぬ10ベストに選ばれたのは、ざっとトヨタが“最後のハイソカー”こと「マークX」、日産が“初のオンリー海外生産メジャー国産”の「マーチ」、BMWが“高級車なのにエコ”な「5シリーズ」、メルセデスが“日本初のクリーン高級ディーゼル”「E350ブルーテック」、ジャガーが“過去を捨てた高級車”「XJ」、マツダが“あり得ないミニバンデザイン&アイドルストップ”の「プレマシー」、フォルクスワーゲンが“初代ゴルフの再来”「ポロ」、ホンダが“初のハイブリッドスポーツ”「CR-Z」、スズキが“熟成コンパクト”の「スイフト」、最後に“コンセプト画から飛び出してきたフレンチクーペ”「プジョーRCZ」という具合。

どれもそれなりに理由がつくクルマだけど、あらためて見回すと……つくづく本命がございません。あえて言うなら、今はエコカーの時代なので、燃費のいいコンパクトカー系が有利で高級車が不利。マーチ、ポロ、CR-Z、スイフトの4台が抜け出すと、小沢的にはそういう見立てでありました。
 
これが去年はすごく分かり易かったわけですよ。低価格を武器に登場した「ホンダ・インサイト」と、今も快進撃を続ける3代目「トヨタ・プリウス」というハイブリッド2台巨頭のイッキ討ち。個人的には電気自動車元年だと思ったので、去年は「三菱i-MiEV」1本だったけど、今年は迷ったな。ホント、どれが大賞取っても理由付けできるもん。

実際、11月9日に行われた投票発表によると、最初はフォルクスワーゲン・ポロがリードして「初の輸入車受賞?」と思いきや、最後の3〜4人でホンダCR-Zが逆転して、そのまま受賞!! ただし、COTYは60人の選考委員の配点で争われるわけだけど、1位のCR-Zと2位のポロの得点差は過去最少差の9点。まさに今年のF1よろしく荒れた試合(?)になったわけ。

個人的には、いまハイブリッド信仰が強すぎる日本で、一番その存在を訴えるべきだと思ったヨーロッパ流ダウンサイジングカーの象徴、ポロに10点。あとはスイフト、マーチを順に並べました。でも残念ながらダメだったね。俺が応援すると大賞は取れない? ってか(苦笑)。

予選を通過した「10ベストカー」。
予選を通過した「10ベストカー」。 拡大

第416回:いつになく迷った日本カー・オブ・ザ・イヤー 小沢コージ的COTYはこれだ!の画像 拡大
小沢 コージ

小沢 コージ

神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 ホームページ:『小沢コージでDON!』

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