シトロエンC3 エクスクルーシブ(FF/4AT)/DS3 スポーツシック(FF/6MT)【試乗記】
ときめく姉妹 2010.06.09 試乗記 シトロエンC3 エクスクルーシブ(FF/4AT)/DS3 スポーツシック(FF/6MT)……239万円/273万7250円
異なる個性を引っさげて、同時に日本上陸を果たしたシトロエンの「C3」と「DS3」。ニューモデルの魅力を、巨匠 徳大寺有恒が語った。
昔の名前で出ています
松本英雄(以下「松」):2年ほど前に先代「C3」が販売中止されて以来、空白となっていた小型シトロエンが日本市場に復活しました。それも、同時に2モデル! 新しい「C3」と、それをベースとする3ドアのスペシャリティ・コンパクトとでもいうべき「DS3」です。
徳大寺有恒(以下「徳」):「DS3」は「DS」と名乗ってはいるものの、かつての「DS」の復刻版ではないんだよな。
松:ええ。従来からのシトロエンのレギュラーラインである「C」に対して、「DS」は新しいスペシャルなラインの名称ということですね。オリジナルの「DS」が持っていた、前衛的で独自性にあふれた精神を受け継ぎながらも、「アンチレトロ」を標榜(ひょうぼう)しています。
徳:だったらまったく違う名前にしてもよかったんじゃないか。
松:同感です。
徳:「DS」を筆頭に、かつてのシトロエンは、ひと目見ただけで「ほかのクルマとは違う」強烈なオーラを放っていたんだけどな。
松:巨匠はシトロエンにはいろいろ思い出があるんでしょう? 以前に伺った「GS」でハイドロ地獄に陥った話とか。
徳:ああ。あまりに修理費が嵩む(かさむ)のに女房がキレて、離婚の危機を迎えたんだ。(笑)
松:「2CV」にも長く乗られていたし、「エグザンティア」も愛用されてましたよね。
徳:「エグザンティア」はいいクルマだったなあ。「2CV」は女性ウケが抜群だった。あとは「CX」と「SM」にも乗ったよ。言わせてもらうと、「SM」は新車だぜ。
松:それは自慢できますよ。「CX」は僕も乗りました。もちろん中古だけど。調子がいいと本当に快適なクルマですよね。
徳:いや、まったく。ハイドロのシトロエンはすべからくそうなんだ。
松:僕は「アミ6」にも乗ってたんですよ。
徳:ほう。「アミ6」は欲しかったけど買えなかったクルマの1台だよ。
松:「アミ6」は「2CV」や「DS」のスタイリストとして知られる「フラミニオ・ベルトーニ」が手がけた最後の、そして彼がもっとも愛したシトロエンだそうなんです。雨の日に走っていると、水滴がフロントガラスに当たらずにルーフのほうに飛んでいくんですよ。
徳:そいつはすごいな。おっと、つい昔話になってしまったが、そんなこんなで、我々はシトロエンにはちょっとうるさいというわけだ。(笑)
松:では乗ってみましょうか。まずは「DS3」から。
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