マツダ・アテンザスポーツ25Z(FF/6MT)【試乗記】
広島のドイツ人 2010.04.16 試乗記 マツダ・アテンザスポーツ25Z(FF/6MT)……312万2750円
マイナーチェンジを受けた「マツダ・アテンザ」シリーズの高性能バージョンは、いわゆるスポーティセダンとは趣を異にしていた。
ドイツじゃスター
クルマにちょっと興味があるとか、クルマも嫌いじゃないというぐらいの人に「マツダのアテンザ、マイナーチェンジしましたね」と話を振っても、おそらく「ん?」という反応しか返ってこないだろう。正直、日本でのアテンザはぎんぎんに存在感があるモデルではない。ま、いまの日本で存在感があるクルマはなんだ、と問われると答えに困るわけですが、マイチェン前の“販売には不利な時期”とはいえ、アテンザの登録台数は2009年12月が287台、2010年1月が583台。
ところがどっこい、ドイツでは事情が違う。JDパワー&アソシエイツ社による「2009年ドイツ自動車顧客満足度調査」によれば、「マツダ6」(アテンザの欧州名)はアッパーミディアムカー部門で「ルノー・ラグナ」「トヨタ・プリウス」に僅差(きんさ)で続く堂々第3位。2006年には先代マツダ6はこのカテゴリーで見事に1位を獲得している。アテンザ、ドイツではスターだ。
日独での評価の違いは面白い。てなことを思いながら、マイチェンを受けたアテンザ・シリーズで一番の“走り仕様”である「アテンザスポーツ25Z」の6MT仕様に試乗する。「アテンザスポーツ」は5ドアハッチバックのボディタイプ。他に4ドアセダンとステーションワゴンがラインナップされるなかで、最もスポーティな位置づけとなる。5段AT以外に6段MTが選べるのも「アテンザスポーツ」だけだ。また、セダンとワゴンでは2リッター直噴の直列4気筒エンジンも用意されるが、「アテンザ・スポーツ」では2.5リッター直4(直噴にあらず)だけが積まれる。