ジャガーXFR(FR/6AT)【ブリーフテスト】
ジャガーXFR(FR/6AT) 2009.08.21 試乗記 ……1200.0万円総合評価……★★★★
怒涛の510psを発生する、ジャガーの新型サルーン「XFR」。その走りから乗り心地まで、“スーパーセダン”の素顔をリポートする。
輝ける猛獣
ジャガーとしては、いつまでも過去の遺産にしがみついているわけにもいかず、このXFシリーズで新境地を開きたいところだろう。メッシュグリル眩しい新しい顔からは、そんな意気込みも感じられる。
旧来の熱心なうるさ型ジャガーファンにとっては、この新型車は鼻持ちならない存在かもしれないが、XFのスタイリングは、それまでジャガーを敬遠していた若い新しいファンも取り込むことができる。後々の評価はこのあとにデビューした新しい「XJ」の成り行きにもかかってくるだろうが、そんな論議がなされること自体、ジャガーファンの層の厚さを表しているのだ。
この「R」が付加された高性能モデルは、ジャガーがスタイリングだけではなく、技術や、それがもたらす走りの点でも第一級にあることを表す。総アルミボディの軽量さを説くならば、もっと小排気量のエンジンでも十分なパフォーマンスが得られそうなものだが、どうせやるなら徹底的に、ライバル車を完膚無きまでに叩きのめすということなのだろう。
エコの時代なのに……と顔をしかめることはない。Rだからといって四六時中飛ばすのではなく、余剰トルクを使った低回転低燃費な走りもできるのだから。