最終兵器の登場で

いろいろ連ねてきたが、ノック式という条件を外して意外に良かったのは、数年前ロンドンに泊まったとき、ヒルトンホテルの部屋に置いてあったボールペンである。そのしっとりとした書き味に加え、再生紙を巻いて作ったというボディーは、いつの季節に持っても手にしっくりと馴染(なじ)む。高級品がなくても満足できる、低燃費な自分? がうれしくなる。

冒頭のスーパーカー消しゴム遊びに話を戻せば、ボクの周囲ではある最終兵器の登場によって、流行に終止符が打たれた。同級生のひとりがBOXYボールペンの代わりに、トイレットペーパーホルダーの軸を家から持ってきたのだ。それを使うと消しゴムの飛び方が格段に違い、とても勝負にならなかった。

風の便りに聞いたところによると、そのトイレットペーパーホルダー少年は現在、建築家・工業デザイナーとして成功しているらしい。できるヤツは子供の頃から違う。当時彼の家族は、ホルダーの軸がなくなって不審に思っただろうが。

(文と写真=大矢アキオ/Akio Lorenzo OYA)

筆記具ついでの小ネタ(その2)。
1991年に「日産フィガロ」報道関係者向け試乗会で頂いてきた「ダットサン・ブルーバード」鉛筆。なぜその時代まで生き延びていたのか興味深い。
筆記具ついでの小ネタ(その2)。
1991年に「日産フィガロ」報道関係者向け試乗会で頂いてきた「ダットサン・ブルーバード」鉛筆。なぜその時代まで生き延びていたのか興味深い。 拡大
意外に書き味・持ち味とも良好なヒルトン再生紙ボールペン。
意外に書き味・持ち味とも良好なヒルトン再生紙ボールペン。 拡大
大矢 アキオ

大矢 アキオ

コラムニスト/イタリア文化コメンテーター。音大でヴァイオリンを専攻、大学院で芸術学を修める。1996年からシエナ在住。日本を代表するイタリア文化コメンテーターとして語学テキストやデザイン誌等に執筆活動を展開。19年にわたるNHK『ラジオ深夜便』リポーター、FM横浜『ザ・モーターウィークリー』季節ゲストなど、ラジオでも怪気炎をあげている。『Hotするイタリア』『イタリア発シアワセの秘密 ― 笑って! 愛して! トスカーナの平日』(ともに二玄社)、『ザ・スピリット・オブ・ランボルギーニ』(光人社)、『メトロとトランでパリめぐり】(コスミック出版)など著書・訳書多数。YouTube『大矢アキオのイタリアチャンネル』ではイタリアならではの面白ご当地産品を紹介中。

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