アウディQ5 3.0 TDI クワトロ/A4 3.0 TDI クワトロ【海外試乗記】
日本で食べたい「すっぱい葡萄」 2008.12.12 試乗記 アウディQ5 3.0 TDI クワトロ/A4 3.0 TDI クワトロ日本にないのに、欧州では人気者!? アウディで最も売れ筋だというディーゼルモデルの実力を、アメリカの道で試してみた。
常識が違う
ここはアメリカ、コロラド州――
試乗車は、大きな星条旗で飾られたアウディだ。
気合を入れてエンジン、スタート! っと、あんまり静かで調子がくるう。これって、ディーゼルじゃなかったっけ? キャンコロ、キャンコロ、言わないの……?
バスに、トラック。ニッポンで見慣れたディーゼル車と違って、「アウディQ5 3.0 TDI クワトロ」は粛々とアイドリングを続ける。まるでそう、レクサスみたいに。プレミアムブランドのディーゼル? 体験すればワカルと言われて来たけれど、ようやく納得の初対面。
なにせ「アウディQ5」、今年4月にデビューを果たすも、日本じゃいまだ売られていない。ここもやっぱり異国の地……カーナビ嬢は、英語をしゃべる。「Go straight!」の声にうながされて、ハイウェイを西へ向かった。
100km/hでずーっと巡航しても、エンジン音は「ゥーン……」とかすか。風切り音にも紛れそう。アイドリング並みに静かだなぁ、とメーターに目をやれば、回転数は本当に1600rpm(!)でしかない。まさに(ひと昔前の)アイドリング並み。
なのに、余裕のピックアップ。カタログが言うには、スーパースポーツ級の最大トルク=51.0kgm(!!)を、わずか1500-3000rpmで発生する。4500rpmで、もうレッドゾーン。ガソリン車とは、常識が違いすぎる。
車重はガソリンモデルに120kg増しの1865kgもあるけれど、0-100km/h加速は6.5秒と立派なもの。4.8リッターの「ポルシェ・カイエンS」さえ置き去りにできる。試しに長〜いコンボイを抜こうとしたら、スピード計は、あれよあれよと……290km/hまで刻まれたメーターは、ハッタリじゃぁないらしい。