スズキ・エスクード2.4XG(4WD/4AT)/3.2XS(4WD/5AT)【試乗速報】
老舗の底力 2008.07.15 試乗記 スズキ・エスクード2.4XG(4WD/4AT)/3.2XS(4WD/5AT)……232万500円/285万6000円
並みいるライバルとは一線を画す小型SUV「スズキ・エスクード」。2008年6月に比較的大がかりなマイナーチェンジを受けた3代目をオンロードとオフロードで試乗すると、このクルマの個性が明確になったのだ。
かわいそうなエスクード
個人的な話で恐縮ですが、「スズキ・エスクード」を見かけるといつも、「かわいそう」という言葉が頭に浮かぶ。エスクードがなぜ「かわいそう」だと思えるのか、簡単に説明させてください。
1988年にデビューした初代エスクードは、山だけでなく街でもオシャレに乗れるコンパクトなSUVという新しいマーケットを開拓した。言ってみればパイオニアですね。ヨーロッパでは「VITARA(ビターラ)」という名称で売られて好評を博し、特にイタリアの大都市で頻繁に見かけた記憶がある。
ところが1994年に「トヨタRAV4」が登場、翌年には「ホンダCR-V」も続き、エスクードの存在感は次第に薄れていった。なんというか、せっかく畑を耕したのに作物は別の人に刈り取られてしまった、みたいな話だ。
だからエスクードを見るたびに「かわいそう」という感情が湧く。エスクードがなければ「BMW X3」も「日産デュアリス」もなかったはずなのに……。
ところが、大がかりなマイナーチェンジを受けた3代目エスクードに試乗してみると、嬉しいことに「さすがパイオニア!」と唸らされる部分をいくつも見つけることができた。