スマート・フォーツークーペ(RR/5AT)/フォーツーカブリオ(RR/5AT)【試乗記】
自動車界の異端児 2008.03.14 試乗記 スマート・フォーツークーペ(RR/5AT)/フォーツーカブリオ(RR/5AT)……190万7000円/219万7000円
フロントマスクが優しい印象になったニュー「スマート」。全長が180mm伸びたことで、サイドビューの印象も一新された。1リッター+5ATになった新型の走りの印象は?
クルマの枠をはみ出した乗り物
「クルマの常識をぶっ壊す!」と開発陣がいったかどうかは知らないが、「その寸法、ホイールベースですか?」と聞き返されそうな短い全長に、乗車定員たった2名と割り切ったキャビン、ちょっとへんてこなモノフォルムのデザインなど、独自の世界を切り拓いたのが初代「スマート」である。たしかにタイヤ4つとエンジンは付いているけれど、いままでと同じ尺度でその魅力を計り知ることが難しい、クルマの枠をはみ出した乗り物なのだ。
その後「スマート・フォーツー」に改名されたスマートがコンセプトを守りながら2代目へと進化し、日本の路上を走り始めた。新型の値段は、クーペが176万円、カブリオが205万円と決して安くない。コンパクトカー王国の日本なら、軽自動車でも、コンパクトカーでも、もっと安い値段でよりどりみどり。そのうえスマートがふたりしか乗れないとなると、どう見ても分が悪い。でも、スマート・フォーツーを他のコンパクトカーと別のものさしで測ると、その潔いスタイルが俄然輝き出してくる。