【車内&荷室空間】乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★
直線的なダッシュボードに、四角いセンタークラスターと、アナログ3連のセンターメーターが配置されるのが特徴。速度計、回転計はやや高い位置にあり、ドライバーに向けられていることもあって意外に見やすい。ダッシュボード表面はつくりが丁寧で安っぽさを感じさせない。ドライバー正面に蓋付きの収納があるほか、収納スペースが豊富なのも便利だ。全体的にすっきりとした印象のデザインで、新しさも感じられるが、その新鮮さが持続するかどうか、ちょっと心配だ。
(前席)……★★★★
やや高めの座面を持つが、サイドシル部分に一段低いステップを設け、また、Aピラーにグリップが用意されるので、乗り降りには苦労しない。運転席はシートリフターが備わり、ステアリングもチルトとテレスコピック調節が可能なため、適切なポジションを得やすい。シートそのものは、ファブリックの表皮の張り具合が適度なのに加えて、ラウンドしたシートバックがドライバーの背中を優しく包み込む感じで、座り心地はなかなか快適である。
(2列目シート)……★★★
「ZS」グレードは、“ワンタッチタンブルシート”が標準で、“ロングスライドマルチ回転シート”はオプションの設定。試乗車は標準のままだが、その場合でもスライド機能はついていて、シートを一番前に出しても大人が座れるし、一番後ろなら足が組める広さが確保されている。ヘッドルームは十分すぎるほどだ。
シートは3人掛けだが、中央は狭くてクッションが硬いうえにヘッドレストがなくシートベルトも2点式と、ほぼ補助席の扱い。こういった例は日本車では珍しくないし、3ナンバーのワイドボディとはいえ基本的には5ナンバーと同じ室内に横3名座らせるのは難しいのもわかるが、(さらに全幅に余裕があるモデルまで)それが当たりまえになっているのはどうかと思う。なお、中央部は跳ね上げることで前後のウォークスルーが可能、サードシートへのアクセスは便利だ。
(3列目シート)……★★★
セカンドシートが一番後ろの位置にあっても、足元のスペースがなんとか確保されるサードシート。セカンドシートを少し前に出しさえすれば、大人でも十分な余裕だ。もちろん、ここでもヘッドルームは広い。
サードシートも3人掛けで、左または右の席でシートベルトをすると、シートクッションに収まるバックル部分があまり中央に寄っていないために(中央席のスペースを確保するためだろう)、大人には窮屈なのが気になった。ただでさえ後席のシートベルトの装着率の低さが問題なのに、装着すると窮屈なようでは困るのだ。
中央席は左右席と明確な境界がなく、そのぶんセカンドシートより座り心地はいいが、シートベルトは2点式でヘッドレストは備わらない。
(荷室)……★★★★
サードシートを利用する状態ではさほど広くない荷室だが、床下に深めの収納スペースが用意されるおかげで、見ため以上に便利に使えそうだ。
荷物が多いときにはセカンド/サードシートをアレンジすることになるが、その操作の簡単さは噂どおりだ。サードシートは、荷室側からシート下のレバーを一度引くとシートバックが倒れ、さらにもう一度引くと横に跳ね上がるというもので、操作は軽くて簡単。セカンドシートも、スライド位置が一番後ろでヘッドレストが一番下という状態であれば、シートバックを前に倒すだけでタンブルするので、こちらも操作は簡単だ。
写真をクリックするとシートが倒れるさまが見られます。
拡大
|