「ホンダ・シビック」が日本市場にカムバック
2017.07.27 自動車ニュース![]() |
本田技研工業は2017年7月27日、10代目となる「シビック」を同年9月29日に発売すると発表した。
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コンセプトは「走る楽しさ・操る喜び」
2011年以降、日本での新車販売が中断していたシビック(一部限定車を除く)が、10代目へのフルモデルチェンジを機に日本市場にカムバックする。4ドアセダンは6年ぶり、5ドアハッチバックはなんと12年ぶりの復活である。
1972年に誕生したシビックは、170以上の国と地域で販売されるホンダの主力モデルで、世界累計生産台数の約2400万台は、ホンダの全四輪車のおよそ4分の1を占める。このホンダにとって重要なモデルがフルモデルチェンジし、「シビックハッチバック」「シビックセダン」、そして、スポーツモデルの「シビック タイプR」がそろって日本市場に投入されることになったのだ。
10代目となる新型シビックは、ホンダが“クルマづくりに求める根源的価値”とする「走る楽しさ・操る喜び」を高めることで、Cセグメントでの存在感を強めるのを狙いに開発された。その実現に向けて、セダン、ハッチバックに加えて、スポーツモデルのタイプRをもカバーするプラットフォームを新構築するとともに、全モデルを同時に開発することで、すべてのモデルでスポーツ性能を強化したのが特徴だという。
エクステリアは、ワイド&ローのフォルムに加えて、クーペのようなルーフラインを採用することでダイナミックなイメージを強調した。中でもハッチバックは従来の2ボックススタイルから離れ、セダン寄りのデザインに路線変更したのは注目したいところ。ハッチバックのボディーサイズは、全長×全幅×全高=4520×1800×1435mm、ホイールベースは2700mm。一方セダンは全長が130mm長い4650mmになる。
一方インテリアは、インストゥルメントパネルとフロントドアが前席乗員を囲むように連なることで室内のワイドさを強調。運転席のヒップポイントを20mm低くしたにもかかわらず、ボンネット後端位置を35mm下げるとともに、Aピラーの位置を後方にしたことで前方の視野拡大を図ったのも特徴のひとつだ。メーターパネルは中央部に7インチ液晶パネルを配置して速度やエンジン回転数に加えて、さまざまな情報を表示する。
またセンターコンソールは、電子制御パーキングブレーキの採用により大容量のコンソールボックスやアームレストを搭載し利便性を高めている。荷室容量はセダンが519リッターを確保。一方、ハッチバックはセダンよりリアオーバーハングが140mm短いにもかかわらず、セダンに対してリアシートを35mm前に出すことで420リッターの荷室容量を実現している。横方向に巻き取るトノカバーにより使い勝手を向上させたところも見逃せない。
タイプRの走りも見据えて開発された新しいプラットフォームは、先代北米モデルに比べてボディー重量を22kg軽減しながら、ねじり剛性を25%アップ。サスペンションはアウトバーンでの高速走行でも優れた安定性を確保するよう新たに設計されたもので、前:マクファーソンストラット、後:マルチリンクとすることで優れたハンドリングと両立。また液封コンプライアンスブッシュの採用などにより、乗り心地の向上を図ったという。旋回時に4輪のブレーキを独立制御することでアンダーステアの軽減を図るアジャイルハンドリングアシストは全車に標準装着される。
エンジンは、すでに「ステップワゴン」に搭載されている1.5リッターVTECターボだが、シビックに搭載するにあたって性能向上を図っており、セダンでは最高出力173ps(127kW)、最大トルク220Nm(22.4kgm)を実現。CVTとの組み合わせで19.4km/リッターのJC08モード燃費を達成する。ハッチバックの場合、ハイオク仕様とすることで6MT仕様で182ps(134kW)/240Nm(24.5kgm)、CVT仕様では182ps(134kW)/220Nm(22.4kgm)と、さらなるパワーアップを図っている。燃費はそれぞれ17.4km/リッター、18.0km/リッターである。
ホンダの先進安全運転システム「Honda SENSING(ホンダ センシング)」は全車に標準採用。衝突軽減ブレーキのCMBS、渋滞追従機能が付いたACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)、車線維持支援システムのLKAS、オートハイビーム、標識認識機能などが利用可能だ。
ニュルブルクリンクで“FF車最速”を奪還
シビック ハッチバックをベースに、高性能エンジンや専用のサスペンションの採用、そして軽量化などにより速さを追求したのがシビック タイプRだ。2017年4月、スポーツカーの聖地とされるドイツのニュルブルクリンク北コースでFF車最速の7分43秒80のラップタイムをマークしたのは記憶に新しい。
大型のリアスポイラーなどにより強力なダウンフォースを生み出すエアロデザインが特徴で、エンジンには従来同様2リッター直列4気筒直噴ターボが搭載される。その性能は従来に比べ10psアップの320ps(235kW)/6500rpmを達成。最大トルクについては、旧型と同じ400Nm(40.8kgm)を2500rpmから4500rpmの回転域で絞り出す。トランスミッションは6段マニュアルで、シフトダウン時に自動でエンジン回転を合わせるレブマッチシステムが新たに採用された。
このパワフルなエンジンに対応するため、先代に引き続きフロントサスペンションにデュアルアクシス・ストラット・サスペンションを採用する。このサスペンションは通常のストラットサスペンションとは異なり、ナックルとストラットを分離した構造とすることで、高速域での直進安定性や限界時のコーナリング性能を高めるとともに、トルクステアの低減も図れるという。また、リアルタイムでダンパーの減衰力を制御するアダプティブ・ダンパー・システムは、減衰力の可変幅を拡大すると同時に、その制御を進化させることで、車両の動きを素早く収束させ、ロードホールディング性を高めている。
また、新型タイプRでは日常ユースからサーキット走行まで、さまざまなシーンで最適な車両特性が得られるよう、「コンフォート」「スポーツ」「+R」の3つのドライビングモードが用意されており、アダプティブ・ダンパー・システム、パワーステアリング、スロットル、レブマッチシステムの特性を切り替えることが可能となっている。
新型シビックのラインナップと価格は以下のとおり。
- シビックセダン(FF/CVT):265万0320円
- シビックハッチバック(FF/6MT):280万0440円
- シビックハッチバック(FF/CVT):280万0440円
- シビック タイプR(FF/6MT):450万0360円
(文=生方 聡/写真=webCG)
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