吉田:「その通りですね。軸がしっかりしていないと手足とともに本来は動いてはいけない軸も動いて余計な挙動が出てしまう。それが今回はしっかり固定されている感じですね。それに新型レヴォーグは日本のユーザーの使い勝手に関する声をきちんと聞いて、日本向けのサイズで開発していますからね。まあもっとコンパクトな『インプレッサ』もありますが、レヴォーグはレガシィツーリングワゴンの伝統を受け継いだうえでのサイズ感ということだと思います。実用性や走行性能を含めてこのようなパッケージになったと考えています」
佐々木:「インプレッサでも僕は十分に実用的なスペースを持っていると思います。でもレヴォーグはやはり室内の質感や、新しいリニアトロニックの上質なフィーリングなど、格段にレベルアップしていると思います。そこはやはりサイズだけではなく、ノイズやバイブレーションの処理なども含めてレヴォーグはより高いところを目指しているということでしょう。レガシィの延長線としてフォルクスワーゲンやアウディなどに挑んでいるわけですからね」
吉田:「いろいろな面で従来と同じではいけないのでしょうが、それでも自分たちのやり方にこだわり続けるところがスバルの個性だと思います。あくまで水平対向、あくまでAWDじゃないですか。例えば、これだけのエンジンがあるのなら、他のもっと違う種類のクルマだって立派に作れると思うし、それを見てみたいとも思うんですよ。でもそういう方向には行かない。それがいかにもスバルらしいじゃないですか」
吉田寿博(よしだ としひろ)
国内外のレースで活躍する、1964年生まれのレーシングドライバー。近年は「WRX STI」でニュルブルクリンク24時間に参戦、2011年と2012年の2年連続でクラス優勝を遂げた。2013年のスーパー耐久クラス4でもタイトルを獲得している。