



東京→京都・大阪500km
ジャガーXEディーゼルの
ビジネスマンズエクスプレスとしての実力を探る
遠くへ行く車
文=高平高輝/写真=田村 弥
Text by Koki Takahira /
Photographs by Wataru Tamura
ガソリンスタンドにて
「へえ、ジャガーにもディーゼルってあるんだね?」
帰路の高速道路に乗る前に立ち寄ったガソリンスタンドのオジサンが、明るく声をかけてきた。目ざとい上に情報通であることが短い言葉の中にもうかがえる。そうなんですよ、デリバリーが始まったばかりで……、と答えようとしたら、「どのぐらい走るの? リッター15kmぐらいはいくの?」と、好奇心むき出しで押し込まれた。うむむ、所長さんらしきこのオジサン、かなり“できる”と見た。
エレガントだがどちらかといえば控えめなスタイルを持つこのXEを即座にジャガーと認識し、さらに最近のディーゼル車の燃費を推測した数字も的確だ。何よりも興味津々で話しかけてくる、この種の“エンスー感”に接するのは久しぶり。なんだかちょっとうれしくなる。
今時都内のスタンドでは若い人はもちろん、ベテランでもまず話しかけてこないし、そもそもセルフが増えているから、こんなちょっとした、だがリアルな情報交換のチャンスはめっきり減ってしまっている。「いいね!」のボタンなどでは熱い好奇心は伝わらないのだ。

東京駅丸の内駅舎を背景に。
今時都内のスタンドでは若い人はもちろん、ベテランでもまず話しかけてこないし、そもそもセルフが増えているから、こんなちょっとした、だがリアルな情報交換のチャンスはめっきり減ってしまっている。「いいね!」のボタンなどでは熱い好奇心は伝わらないのだ。

後退したキャビンが特徴的なサイドビュー
こうなるとある意味仲間である。「いえ、もっと走りますよ。東京から大阪まで渋滞なしの高速、それから大阪の街中を含めてここまで
600kmちょっと走りましたが、車載コンピューターによれば平均で17km/リッターちょっとはいってます」とできるだけ正確に返すと、「おお、そうだよな、そうなんだよなあ」と自分に言い聞かせるようにうなずく。「やっぱりそういう時代なんだよなあ」
所長さん、まったくおっしゃる通りです。最新のクリーンディーゼル車は、もはや一部のクルマ好きやマニア向け商品にとどまらず、ジワジワと、だが着実に浸透しつつある。
選択肢が増えた今、ごく普通のユーザーの視界にも入っているのである。
600kmちょっと走りましたが、車載コンピューターによれば平均で17km/リッターちょっとはいってます」とできるだけ正確に返すと、「おお、そうだよな、そうなんだよなあ」と自分に言い聞かせるようにうなずく。「やっぱりそういう時代なんだよなあ」

スポーティーとラグジュアリーが同居する室内。
所長さん、まったくおっしゃる通りです。最新のクリーンディーゼル車は、もはや一部のクルマ好きやマニア向け商品にとどまらず、ジワジワと、だが着実に浸透しつつある。
選択肢が増えた今、ごく普通のユーザーの視界にも入っているのである。

弧を描くリアコンビランプのグラフィックが印象的。

東京駅丸の内駅舎を背景に。

後退したキャビンが特徴的なサイドビュー。

スポーティーとラグジュアリーが同居する室内。

弧を描くリアコンビランプのグラフィックが印象的。