

ボディー剛性の強化や足まわりの変更など、特別なチューンが施されたG'sノア/ヴォクシー。
開発に至った背景や、こだわりのポイントを、企画を取りまとめたキーマンに聞いた。
ボディー剛性の強化や足まわりの変更など、特別なチューンが施されたG'sノア/ヴォクシー。
開発に至った背景や、こだわりのポイントを、企画を取りまとめたキーマンに聞いた。
2010年にスタートした“G's”は、トヨタ自らが企画・開発・販売を手がけるスポーツコンバージョン車。その最新作である「ノアSi“G's”」「ヴォクシーZS“G's”」について、開発のポイントを作り手に聞いた。中心になって答えてくれたのは、スポーツ車両統括部の加藤浩幸さんだ。
──なぜミニバンである「ノア」「ヴォクシー」にスポーティーなバージョンを作ろうと思われたのでしょうか?
“G's”の最初のモデルは、2010年に誕生したG'sノア/ヴォクシーでした。自分もそうだったんですが、若いころスポーツカーに乗っていたのに家族が増えてミニバンに乗るようになると、ちょっと寂しい思いをする。これで“走り”とはお別れかな、という気持ちになる人は多いんです。そんなお客さまのライフスタイルを犠牲にしないで乗れるスポーツカーがあればいいな、という思いで始めたのが“G's”なんです。だから、ノア/ヴォクシーで始まったことに意味があります。
その後、コンパクトカーの「ヴィッツ」やハイブリッド車の「プリウス」などにラインナップを広げ、昨年はSUVの「ハリアー」が出て、ほぼすべてのカテゴリーがそろいました。そして今回、ノア/ヴォクシーが“G's”シリーズで初めて第2世代になりました。
──2代目は、どのように変わったのでしょう?
コンセプトは変わっていません。サーキット走行を楽しみたい方に向けては「GRMN」シリーズがあり、“G's”は街乗りで走りを楽しむ人をターゲットに作っています。ボディー剛性を高めてサスペンションを強化し、空力性能を詰めて操縦安定性を向上させました。初代は2グレードありましたが今回は1グレードで、価格はベース車の38万円高に抑えました。これは、ガソリン車とハイブリッド車との差に近いものです。初代と比べて、お買い得だと思いますよ。
加藤浩幸(かとう ひろゆき)
1992年入社。衝突安全の先行開発に5年携わり、ボディー設計に移ってシェル設計やボディー骨格の先行開発を行う。2011年からスポーツ車両統括部で“G's”シリーズを担当。G'sマークX、G'sハリアー、G'sノア/ヴォクシーの開発に関わった。