アルファ・ロメオは100年以上の歴史を持つイタリア・ミラノ生まれの自動車メーカーだ。高級車とスポーツカーを得意とし、創立から現在に至るまで常にスポーティーなクルマづくりを続けてきた。コンペティションの世界における活躍にも目を見張るものがあり、第2次世界大戦前にはタルガ・フローリオやグランプリで、戦後はF1やスポーツカーレースで輝かしい戦績を残している。
イタリア車というと美しいスタイリングがもてはやされることが多い。アルファ・ロメオも戦前、戦後を通じて数々の美しいクルマを生み出した。その一方で、アルファ・ロメオはこだわりの技術集団としても知られる。早くから実用車にDOHCやアルミブロックを採用したほか、最近ではマルチエア、ツインエアというユニークなメカニズムをもつエンジンを手がけた。もうひとつ重要な成果は、コモンレール技術を開発しいち早く実用化にこぎつけたということだ。きめ細かく燃料噴射を制御することで、ディーゼルエンジンの高効率化、クリーン化に寄与し、今ではディーゼル車に不可欠の技術とされる。ディーゼルエンジン開発に造詣が深い、先駆者ならではの功績といえるだろう。
そのアルファ・ロメオが初めて手がけたSUVであるステルヴィオのラインナップに、ディーゼルエンジン搭載モデルが加わった。日本の厳しい排ガス規制をパスするクリーンなエンジンであるだけでなく、最高出力210ps、最大トルク470Nmと、2.2リッター4気筒ディーゼルとしては最もパワフルなスペックを備えて登場するあたり、アルファ・ロメオの面目躍如だ。早速試乗してみよう。
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2019年2月18日に国内デビューした「アルファ・ロメオ・ステルヴィオ」のディーゼルモデル。販売は同年4月6日に開始される。
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最高出力は210ps。1750rpmという低回転域で470Nmもの最大トルクを発生する2.2リッター直4ディーゼルターボエンジン。