
上信越道の登り坂をパワフルに踏破、軽井沢に到着してから寄り道をしながら鬼押ハイウェーを目指す。おすすめの寄り道スポットはたくさんあるが、モダンアートをメインに展示する軽井沢現代美術館と、軽井沢千住博美術館はお薦めである。
特に軽井沢千住博美術館は、妹島和世さんとともに2010年のプリツカー賞を受けた西沢立衛さんの建築。先進テクノロジーをデザインでも表現する「アート&サイエンス」というコンセプトを打ち出すキャデラックで訪れるのにふさわしい場所だ。
浅間山をバックに、長いストレートとスケールの大きなコーナーが組み合わされる鬼押ハイウェーでも、キャデラック エスカレードはそのポテンシャルを発揮した。
汲(く)めども尽きないトルクと気の利いた6速ATの組み合わせによって、急勾配でもしれっと上品に上る。先進のサスペンションシステムは、除雪の影響で荒れた路面も難なくいなす。下り勾配でもブレーキの信頼感は失われず、コーナーでは落ち着いた足取りを披露する。
どんなステージでもレベルの高い快適性を提供するエスカレードは、長距離の自動車旅行にうってつけの一台だ。エンジンにも足まわりにも余裕があり、しかも掛け心地のいいシートをはじめとして内装の設(しつら)えも上等だから、長時間のドライブでもまったく疲れない。そして、日本とは思えない鬼押出しの景色に、スケールの大きなエスカレードが映える。
最終的な目的地は、星のや。星野リゾートの原点となった、滞在型の温泉リゾート施設だ。そのコンセプトは、「もうひとつの日本」。日本がもし近代化せずに独自の道を歩んでいたら、という仮定のもとに温泉施設をデザインしたユニークな施設だ。訪れた客は、「谷の集落に暮らす」という設定のもと、日常から切り離される。
星のやのモダンなエントランスに、フューチャーリスティックな意匠のエスカレードを滑り込ませる。「解剖台の上のミシンとこうもり傘の偶然の出会いのように美しい」というロートレアモン伯爵の言葉が頭に浮かぶ。
キャデラック エスカレードは旅の最後まで、非日常的な体験でドライバーをもてなしてくれた。
キャデラック エスカレードの詳細情報はこちら