意のままになる空間

そうした環境づくりにまつわるさまざまな要素はすべて、リアシート中央部のアームレストにビルドインされたタブレット型のタッチコマンドでコントロールすることができる。空調も、オーディオ/ビジュアルも、採光も、照明も、操作はこれひとつ。あちこちに手を伸ばす必要がなく、まるで手元でスマートフォンを操作するかのような感覚だ。

このタブレットでは、ドライバーズシートを除くすべてのシートを操作することもできる。リアシートのバックレストの角度や座面の角度と前後位置、ヘッドレストの高さが変えられるのはもちろんのこと、助手席を大きく前方にスライドさせることもできるから、ただでさえ足を組んで座れるほどのレッグルームを、セダンの中にいるとは思えないほどの空間へと広げることもできる。加えてオプションのマッサージシートを選べば、その機能も調整可能だ。

リアシートのエアコンディショナーやエンターテインメントシステムなどを操作するデバイス「BMW タッチ・コマンド」。アームレストから取り外して、タブレットのように使うことが可能だ。

ちなみにマッサージシートは、単に肩から腰をゆっくりとほぐしてくれるだけでなく、マッサージ機能に連動してディスプレイに表示される動画に合わせて体を動かすことでワークアウトを行える“バイタリティープログラム”も組み込まれている。言葉で聞くと何てことないように思われるかもしれないが、試してみたら、これ、実は結構有効だった。長時間の原稿書きで凝り固まっていた腰から上が、何度か繰り返してるうちに緩み始めてきたのだ。長時間のドライブのときには、望外にリフレッシュを図れるに違いない。

肝心なシートそのものの掛け心地については、これはもう文句の付けようがないレベルだ。自分の体の重みの分だけわずかに沈み、適度な硬さで体を支えてくれる。ちょっとしたホテルのラウンジにあるソファなどよりはるかに快適といっていいだろう。そしてその点では、ドライバーズシートも、パッセンジャーズシートと全く同様だ。

「BMW 750Li」のシート。上質なレザーの表皮には、繊細なパターンのステッチが施されている。

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