





──市販のアフターパーツを装着した場合とどう違いますか?
概算では、アフターパーツでまかなおうとすると、コストは100万円を超えてしまいます。価格も大事なのですが、トヨタがベストと思う性能をお客さまに味わってもらうことが目的です。狙っている性能を実現させるためにセットで提供するわけです。ベース車と同じトヨタの工場の生産ラインで装着するので、ボディー剛性の強化も確実にできるし、コストも下げられます。
──少しお金を出しても運転して気持ちいいモデルが欲しいという方は、たくさんいたのでしょうか?
ノア/ヴォクシーでも“G's”をお求めになる方は6%ほどいらっしゃいます。「マークX」では14%を超えますし、「ハリアー」では8%ですが、ノア/ヴォクシーは大変好評で母数が大きいので台数はかなりのものになりますね。家族が多い、仕事上セダンしか選べない、燃費重視で、あるいはハイブリッドを……という方々の中に、やはり楽しく走りたいと思っている層は確かにあったということです。
しかし、クルマ選びには奥さんの発言力が強いといわれている。乗り心地が悪ければ反対されそうだが、その心配はないのだろうか。チューニングの方向性については、“G's”マスターテストドライバーの江藤正人さんが答えてくれた。
「スポーティーだから硬い」というわけではないんです。ハンドリングが良くなると乗り心地が悪くなる、というのでは意味がありませんね。車両の開発にあたっては、人体に負荷を与えないことを目指しています。タイヤがちゃんと接地した状態で走れば、バネ上の動きは少なくなる。後はそれをどう抑えていくかを考えます。結果として、乗り心地は悪くならない。乗っていただければバランスのよさがわかります。
──コーナリング性能だけを良くしているのではない?
そういうことはないですね。一般道を走っていて、ハンドルを切った時にクルマがちゃんと動くことが大事です。限界性能を考えていないというわけではありませんが、もともとトヨタのクルマは、そういうところが悪くないはずなので(笑)。スポーツカーならさらに限界を高める必要もあるのでしょうが、“G's”に関しては、しなやかさとか素直さというところが、開発目標の8割、9割を占めますね。