CHAPTER 02 ミニバンだから意味がある ~ G'sノア/ヴォクシー 開発者インタビュー ~CHAPTER 02 ミニバンだから意味がある ~ G'sノア/ヴォクシー 開発者インタビュー ~

“よさ”はきっと伝わる

──テストコースで走りこんでいるのでしょうか?

いえ、ほとんどは工場の中の構内路で走ります。真っ平らではなくて、デコボコや段差がある普通の道です。そこで20km/h、30km/hといった低めの速度で走り、ハンドリングや乗り心地を確かめます。運転席だけでなく、助手席や後席にも乗って評価します。いいクルマというのはドライバーの思いのままに動くので、パッセンジャーも嫌な気持ちにはならないんですよ。もちろんサーキットも走りますが、どちらかというと構内路がメインです。

──ニュルブルクリンクでいろいろなクルマをテストしてきたことは、“G's”にも生かされているのでしょうか?

ハンドル切ったらどう動くかというのは、テストコースでも公道でも同じです。ニュルにはアンジュレーション(うねり)があって、そこでクルマの動きを見ることができます。それをわかっていれば、構内路でテストする時にもその動きを想定して走れるんです。ニュルの経験がそこで生かされるんです。

加藤さんによると、江藤さんの頭の中には「これだ!」という理想があって、それは、どんなクルマでも関係ないそうだ。スポーツカーの「86」でもノア/ヴォクシーでも、基本は同じ。そんな“G's”シリーズの開発を続ける中で、トヨタ全体も変わったという。

剛性を高めるためにスポット溶接の増し打ちをしていたら、ベース車でも同じことをやるようになってきました。やはり実物に乗ってみて「こんなに良くなるのか」とわかると、技術的な必要性が理解されるようになるんですね。生産技術のほうでも対応してくれて、会社として体制が整ってきたんです。デザインでも、われわれが思い切ったことをやっていたら、ベースのクルマでも自由な発想が増えてきたように思います。

デザインを担当した谷古正知さんは、G'sノア/ヴォクシーは新スポーティーミニバンの提案だと話す。

──この先はどうなりますか?

G'sノア/ヴォクシーが2代目になって、これからもトヨタは“G's”を継続してやっていくというメッセージが出せたと思います。つまり、これも「もっといいクルマをつくろうよ」ということなんです。“G's”の存在が、スポーツカーを愛する多くの方の心を満たす、あるいはスポーツカーに乗るきっかけになればいいと思っています。

“G's”開発メンバーの面々。写真左から谷古正知氏(デザイン部)、大澤洋氏(スポーツ車両統括部)、加藤浩幸氏(スポーツ車両統括部)、久野友義氏(スポーツ車両統括部)、江藤正人氏(凄腕技能養成部)。 ※所属は2016年3月現在